RADっていいとも 素敵な仲間とのペンリレー(82)林 直弥

“Follow the Compass of Your Heart!”

はじめまして!東京医科大学病院の林 直弥と申します。 
編集委員の昭和医科大学江東豊洲病院 秋葉泰紀さんよりバトンをいただきました。
秋葉さんとはMAG懇話会という勉強会の幹事としてご一緒させていただいております。
秋葉さんからは、臨床面・研究面ともにいつも刺激をいただいており、自分も頑張らなければ!と背筋が伸びる思いです。 

プロフィール

1997年生まれの28歳。東京都立大学で博士後期課程まで修了しています。博士前期課程の間は非常勤として、1年間がん・感染症センター都立駒込病院で働き、次の1年は東京医科大学病院で働きました。博士後期課程進学と同時に、東京医科大学病院に正職員として入職。働きながら大学院を修了し、現在に至ります。放射線技師になって6年が経ちました。 

ここまで読むと、なんだか堅〜い人間に思われるかもしれません。しかし私の正体は……重度のディズニーオタク、いわゆる「Dオタ」です。 
ショーやパレードを最前列で見るために数時間前から地蔵(座り込んで待つこと)している人間がいたら、それは私かもしれませんね(笑)。
ちなみに1人で待っている時は、タブレットで論文を読んでいます。タブレットは紙と違って、暗い夜の地蔵でも読めるので便利ですよ。  

Figure 1. 筆者(舞浜のすがた) 

ここまでの旅路 

私のMRIの航海は大学3年生の時に始まりました。 
東京都立大学(当時、首都大学東京)の畑純一先生の研究室の門を叩き、理化学研究所で9.4テスラの超高磁場MRIを用いた研究に触れる機会を得たのです。当時は、遺伝子導入の技術を使って“MRI造影剤を自ら取り込む細胞”を人工的に作り出し、その細胞を生体内でMRIによって追跡する技術の最適化を研究していました。 
畑先生の熱心なご指導のおかげで研究者としての礎を築くことができ、無事にPh.D.を取得しました。また、そこで出会った吉丸大輔先生には、現在も研究を導いていただいています。
就職した東京医科大学病院では、荒木洋一先生と出会い、臨床MRIについて基礎から教えていただきました。同病院に来ていただいている渋川周平先生にも、研究面で大変お世話になっています。 
駆け出しの冒険者だった私に、MRIの深淵な面白さと、研究の厳しく楽しい世界を教えてくださったのは、この4人の恩師たちです。 
この場を借りて、厚く御礼申し上げます。 
現在は、MRIによる認知症の早期発見や認知機能評価をテーマに研究を進めています。 

Figure 2. 当院に最近導入されたMAGNETOM Cima.Xと筆者 
Figure 3. 学会発表をする筆者(JSMRM 2025) 

心のコンパスが示す先へ 

そんなここまでの、そしてこれからの冒険を思うと、ある一節が思い浮かびます。 

“Life is the greatest adventure! There is no map, there’s no chart.” 
「人生は冒険だ!地図はないけれど」 

これは、東京ディズニーシー『シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ』で流れるアラン・メンケンの名曲『Compass of Your Heart』の一節です。 

MRIの世界も、まさにこの通りだと思いませんか? 
患者さん一人一人の身体は異なり、絶対的な『正解(map)』は存在しません。
研究もそうです。新規性のある研究を進めていくのは、まさに道なき海を進むようなもの。『教科書(chart)』に載っていないことを解明しようと足掻く日々は、時に不安で、孤独な航海になることもあります。 

“Tides may turn you and toss you and storms may arise!” 
「荒波が船を揺さぶり、嵐が行く手阻んでも」

まさにこんな旅路ですね。そんな時、私が必ず立ち返るのは、この歌詞の続きです。

“But if you seek life’s great treasure, follow the compass of your heart!” 
「宝物探そう。信じてCompass of Your Heart!」 

壁にぶつかった時、何を頼りに舵を切るか。 
それは、「もっと良い画像を撮りたい」「この病態をMRIで解明したい」といった、自分自身の内なる情熱です。これこそが心のコンパスの正体だと、私は解釈しています。 
そしてその情熱は、困難すらも楽しみに変えてくれます。

“It’s kind of fun to do the impossible.” — Walt Disney 

難しい症例や、複雑な撮像法に直面したとき、逆にワクワクしますよね。 
それこそが、我々MRIオタクにとってのGreatest adventureなのかもしれません。 

この曲では、こんなことも歌われています。

“At the end of your journey at last, you will know that great treasure you hunted, you found long ago! It’s not diamonds or rubies, or silver or jade. No, the treasure is the lifelong friends you’ve made!” 
「ついに見つけたよ宝物。宝石や黄金じゃなく、旅の中で巡り会った、素晴らしい僕の友達」 

ありがたいことに、私もMRIを通して、たくさんの方と巡り会っています。
学会や研究会、特に幹事を務めている東京MAGNETOM研究会やMAG懇話会では、毎回色々な方にお世話になっています。この航海の中で出会えた方々こそ、私にとっての何よりの宝物です。 
もっとも、私はまだ28歳。 MRIという大海原に漕ぎ出したばかりの、新米船乗りです。これから先、どんな島に辿り着き、どんな方々と出会えるのか。想像するだけでワクワクします。 
この航海を支えてくださっている方々を大切にしながら、これからも“宝物”を増やしていきたい。そんな思いで、今日も心のコンパスを握っています。 

Figure 4. 東京MAGNETOM研究会幹事の皆様と(右から2人目が筆者)

最後に 

MRIの技術は日進月歩。常に新しい、魔法のような技術が生まれています。
ディズニーランドのように、永遠に完成しないのかもしれませんね。
だからこそ、常に“Keep moving forward”の精神で。 
これからも心のコンパスに従って、MRIという終わりのない航海を楽しんでいきたいと思います。 

“We keep moving forward, opening new doors, and doing new things, because we’re curious and curiosity keeps leading us down new paths.” — Walt Disney 

Figure 5. 大好きなメディテレーニアンハーバーの夜景(筆者撮影)
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Taiki Akiba昭和大学藤が丘病院 放射線技術部

投稿者プロフィール

昭和大学藤が丘病院の秋葉 泰紀(あきば たいき)と申します。MRI歴は8年目になります。
MRIは難しいとの固定概念があり苦手でしたが、綺麗な画像を撮像できた時の感動が忘れられず、今ではMRIが楽しいと日々感じております。学会や勉強会の際には、気軽にお声かけいただけましたら幸いです。よろしくお願い致します。

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