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磁化率強調画像と無症候性微小脳出血
- 2014/10/27
- Any Modality, ミニレクチャー
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磁化率強調画像とは?
磁化率強調画像とは、微小出血や虚血などで起こる磁化率の変化を鋭敏にとらえる撮影法で、脳内「鉄」の分布を画像化するものです。メタルアーチファクトに代表される磁化率が異なる組織の境界で起こる「磁化率アーチファクト」は、撮影対象内の磁性体からの影響で起きますが、これと原理は同じです。
磁化率の影響を受けやすいシーケンスの順は「EPI>GRE>>SE>FSE」となります。その理由は、下記の通りとなります。
- SEやFSEは、180°パルス収束により、局所磁場の不均一が補正される。
- GREは、位相分散の補正がないため、磁場不均一の影響を受けやすい。
- EPIは傾斜磁場を多用するため、特にk-spaceの高周波成分での位相分散が大きくなる。
磁化率強調画像のあれこれ
- T2*強調画像(GRE)
- T2*強調画像(GRE-EPI)
- SWI(Susceptibility Weighted Imaging)
- SWAN(T2 Star Weighted MR Angiography)
- PRESTO(principle of echo shifting with a train of observations)
- Multi-Shot RSSG (RF Spoiled-Steady state Acquisition with Rewound Gradient Echo EPI
無症候性微小脳出血
無症候性微小脳出血とは、文字通り症状の出ない小さな脳出血痕で、しばしば多発化します。原因は高血圧性脳出血が最も頻度が高く、多くが被殻外側(外包近傍)出血で、半数が脳梗塞を合併しています。
- 高血圧性脳出血が最も頻度が高い
- 多くが被殻外側(外包近傍)出血
- 半数が脳梗塞を合併している
ただし、今のところ無症候性脳出血例に抗血小板薬や抗凝固薬を投与することによって、新たな出血のリスクを高めるといった報告はありません。高頻度なのは、高齢、高血圧、大脳白質病変の程度が進行、脳卒中の既往があることで、他疾患とは下記の関連があることが知られています。
- 特に脳出血とラクナ梗塞で頻度が高い。
- 前頭葉認知機能低下と関連している。
- 脳梗塞急性期における血栓溶解療法で、脳出血のリスクが高まるという証拠はない。
- 抗血小板薬や抗凝固剤で新たな出血のリスクを高めるといった報告はない。
高血圧性脳内出血/くも膜下出血
急性期~亜急性期の脳内出血の検出にも優れています。被核や視床の小さな出血のように、DWIのみではラクナ梗塞との鑑別が難しい症例において効力を発揮します。またくも膜下出血、出血性脳梗塞の検出にも役立ちます。
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