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BPAS (1): BPASの使い方
- 2014/11/2
- Any Modality, ミニレクチャー
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BPAS
BPAS(Basi-parallel anatomical scanning)はheavy-T2WIによるCSF-hydrographyで、撮影後にネガポジ反転することで椎骨動脈~脳底動脈の血管構造を画像化する方法です。ビーパス、と読みます(長畑守雄先生の原著/AJNR論文、和文PDF)。
MRA(3D-TOF)と違い血流の影響を受けず、血管そのものが見えるため、椎骨動脈解離や動脈瘤、解離による血栓化(動脈閉塞)、巨大動脈解離の(偽腔を含めた)全体像を観察するのに適してます。
実際の撮影法は、FSE(TSE)系列でheavy-T2(long-TR&long-TE)に設定、斜台に平行な厚めのスライス(30mm程度)を1枚だけロカライズします(下図参照)。どのメーカーのMR装置でも撮影できます。シーケンスはFSE以外にもSSFSEやFIESTA(true-FISP)でもOKです。
撮影条件(当院の一例)
FSE-XL TR/TE: 2000/700, ETL:64, matrix: 320*256, NEX:6
FOV:24cm, 30mm(1slice), Scantime: 0m48sec
椎骨動脈解離に対する3D-TOF-MRAでは、もともと左右の椎骨動脈のいずれか(多くの場合は右椎骨動脈)が低形成なことがあり、動脈解離と低形成の鑑別は難しいです。そこでBPASを追加撮影し、椎骨動脈が「MRAで描出なし & BPASで描出あり」のパターンであれば、解離もしくは血栓形成が起きていることが分かります(下図参照)。
椎骨動脈解離の診断以外に、血管走行の把握のためにもBPASは有用です。例えば動脈硬化で血管の拡張・蛇行が強い場合、MRAでは乱流による信号欠損で狭窄、閉塞様に見えることがありますが、BPASを使えば全体構造が一目で把握できるので便利です。
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