MRI検査で頭部領域の基準線をどのように決めていますか?
MRI検査で最も多いであろう頭部領域の撮影時、皆さんのご施設では基準線をどのように決められていますか?
有名なものはOMLとAC-PC lineですが、実は基準断面にはかなり多くの種類があります。診療科や各学会などで決められている場合もあるため、わかる範囲でまとめてみました。
OML
OML(橋延髄移行部と鼻根部を結ぶ線、正確なOMLとは異なる)は疾患による位置の変動が少なく、CT とほぼ同じ断面が得られるため長らく使用されてきました。この断面は CT が後頭蓋窩の骨からのアーチファクトの影響を回避するために設定された断面なので、骨からのアーチファクトの無い MRIで、OML を採用する理由はありません。そもそも外耳孔がMRIで確認できないのに、このラインを OML というところに無理があり現在は推奨されていません。
AC-PC lineとSubcallosal line
AC-PC line(前後交連線:前交連上端-後交連下端)は脳外科での基準線となります。これを設定するためには、正確な sagittal 像を 3〜4mm sliceで撮像する必要があります。空間分解能の低い画像では見つけにくい場合があるので、初心者にも分かり易い脳梁前後の下端を結ぶ断面(Subcallosal line)を基準とすることをお勧めします(このラインは多発性硬化症の国際的な基準線となっています)。
基準位置のラインを必ず撮像することで、経過観察時の断面のズレは非常に少なくなります。
市立奈良病院 市原 満
oct
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