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ワーラー変性(Wallerian degeneration)
- 2014/10/27
- Any Modality, ミニレクチャー
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慢性期脳梗塞患者さんのDWIで描出された錐体路のWaller変性です。一般的にWaller変性とは神経細胞体または軸索が障害されたときに、その末梢部の軸索や髄鞘に順行性に起こる変性のことで、錐体路にWaller変性が起きた場合、このような「錐体路イメージング」風に見えることがあります。
T2強調画像でも発症4週間後頃より信号変化が認められ、経過とともに高信号→(一時期な)低信号→最終的に高信号となります(gliosis等が関与)。DWIでは、より鋭敏に変化が分かります(ちなみにCTの場合は、末期の変化(萎縮像)のみ観察することができます)。
錐体路のWaller変性は脳梗塞が最も多く、出血、外傷、腫瘍、脱髄変性疾患も原因となり得ます。新たな梗塞巣や、脱髄病変と誤診しないことが重要ですが、高信号が錐体路に沿って連続的であることが分かれば鑑別は容易です。
※ワーラー変性(Wallerian degeneration):末梢神経線維が切断、坐滅などにより神経細胞との連絡が断たれたときに生じる変化。24-36時間以内に神経線維の断端遠位部より始まり、遠位にある軸索幹に生じて、病変の軸索は腫大した後に萎縮し、断片化していく。ワーラー変性の名はA.V.Wallerにより記載されたことにちなむ(wikipedia 日本語版/英語版より引用改変)。
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