RADっていいとも 素敵な仲間とのペンリレー(78)黒澤 隆那

はじめに

大学とサークルの大先輩であり、昭和医科大学江東豊洲病院の秋葉 泰紀さんからバトンを受け取らせていただきました。千葉大学医学部附属病院 放射線部の黒澤 隆那(くろさわ りゅうな)と申します。

自己紹介

2015年に帝京大学を卒業後、千葉大学医学部附属病院に入職し、技師として10年目を迎えました。年齢は33歳になります。出身は埼玉県の秩父市です。現在は妻と4歳の娘との3人家族で、娘と遊ぶのが何よりの楽しみです。最近は娘が補助輪なしで自転車に乗れるようになり、その成長を自分のことのように喜んでいます。

自分語りはあまり得意ではないので、最近流行りのAI(ChatGPT)に、検索履歴ややり取りの中から、私の性格を診断してもらうことにしました。

私はこんな人です!(笑)想像以上に当たっている気がします。「伝え方や表現にも気を配る」という点は、まさに私が発表資料を作る際に最も重視していることです。実際、私は発表や資料作成において「どうすればわかりやすく伝わるか」を常に意識しています。スライド作りには力を入れ、本やYouTubeから学びを得ることも多いです。最近読んだ本では「ストーリーテリング」の重要性を学び、共感を得やすいプレゼンの構成に活かしています。

また、弱みである『慎重すぎて動きが遅くなる』という点も、まさにその通り。おそらくこれは、『伝え方や表現に気を配る』ことの裏返しなのだと思います。スライドを細部までこだわろうとしてしまうため、気づけばいつも資料作成は締め切りギリギリになってしまいます。改善すべき長年の課題ですね(笑)。フクロウタイプというのはどのようなタイプなのか自分ではしっくりきていませんが、せっかくなので最近ハマっていることをご紹介いたします。

最近ハマっていること

1. 「ジェイソン・フリーニー」が作る作品

皆さんは「ジェイソン・フリーニー」という作家をご存知でしょうか? 彼の作品は、誰もが知る有名キャラクターの半身がまるでレントゲン写真のように骨格が透けて見えたり、真っ二つになって体の内部が見えたりするアートフィギュアなんです。

これ、すごくないですか?AIが作った画像ではないですよ!MRIに携わる人や技師の皆さんなら、この良さがきっと分かってくれるはず(妻にはあまり共感されなかったので、ここで共感を求めさせてください)。左図のキャラクターは昔懐かしい10円ガムのキャラクター「フィリックス」です。馴染み深いキャラクターの「内側」がどうなっているのかを見せるという、その意外性がたまりません。ついつい、骨の数を数えてしまったりするのは職業病かもしれません(笑)。元々アメリカン雑貨や海外アニメが好きということもありますが、ポップカルチャーへの愛情と科学的な視点が見事に融合した彼の作品は、まさに「大人の遊び心」と「浪漫の塊」。ただ、日本ではあまり市場に出回っておらず、価格も少し高めなので、いつか手に入れることを夢見てお小遣いを貯めています。ご興味のある方は是非調べてみてください。

2. Pythonによるプログラミング

二つ目はPythonによるプログラミングです。以前から少し触ってはいましたが、最近は生成AIツールが進化して、コーディングの大部分をサポートしてくれます。完全に趣味の範囲ですが、MRIのシミュレーターを作って緩和曲線とTE・TRの関係性を可視化したりして、撮像シーケンスを考えたりするのに役立てています。他にもAIで顔や手の動きをトラッキングしてみたり、色々なことに挑戦しています。臨床や研究に活かせたらな、と考えながら日々楽しんでいます。

MRIとの関わり

私はMRI専属になって6年が経ちます。技師2年目の頃にも半年ほど研修で配属されましたが、当時は撮像法の理解が難しく、常に胃を痛めていた記憶があります。希望して配属されてからは、臨床や研究でMRIに染まっています。ここ数年は、MRIのことばかり考えている上司・先輩や後輩も多く、MRIの話で盛り上がりながら、日々業務を行っております。また、研究活動に関しては、ご縁もあって2021年から毎年ISMRM(国際磁気共鳴医学会)で発表する機会をいただいています。つい先日ですが、ハワイで開催されたISMRM2025では、デジタルポスターにて発表を行ってきました。世界のレベルの高さに圧倒され、もちろん英語の壁には真正面からぶつかりました(笑)。自分の未熟さを痛感したものの、それがきっかけで新たな課題や改善点が明確になり、次へのモチベーションが一層高まりました。文化的な違いも大きく、リンゴを丸かじりしながら発表を聞く人や、セッション会場を鳥が飛んでいる光景など、日本では考えられないことの連続で驚かされました。

学会の合間には、GyroCup2022年優勝「LION」でお馴染みの東千葉メディカルセンターの村山さんと一緒にダイアモンドヘッドに登ることもでき、最高の思い出になりました。

左:ISMRMでの集合写真(左端:筆者、中央:当院放射線科医師の横田先生、右端:後輩の新田くん)、右:デジタルポスター発表時の筆者(右側)

左:会場内に置かれた「丸ごとのりんご」、右:Oralセッション会場内に飛んでいた小鳥

ダイアモンドヘッドでの集合写真(左端:後輩の新田くん、中央:村山さん、右端:筆者)

最後に

私がMRIにのめり込んでしまう理由は、「常識」が常に進化し続ける点にあります。今や深層学習(ディープラーニング)によって高画質と劇的な時間短縮が可能となったり、昔はMRIで「骨」を視るなんて考えられなかったですよね。ハード面の進化はもちろんですが、パラメータ一つで、画像が大きく変化していきます。だからこそ、「常識を疑え」をモットーに、新しい可能性を探求し続けています。

それに加えて、その技術を「誰のために」使うのかという視点を忘れていけないと思っています。大きな音がする狭い空間で身動きも取れず、時には何度も息止めを要求されるMRI検査は、患者さんにとって大きな負担です。だからこそ、私たちは一人一人の患者さんに合わせて対応し、少しでも快適に検査を受けてもらうことが何よりも重要だと考えています。「思ったより楽に終わった」「今日は大丈夫だったよ」と言っていただける瞬間が、この仕事の一番の喜びです。

新しい技術や撮像技術を取り入れつつも、「患者さんファースト」の気持ちを忘れずに、これからも技術向上に努めていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。この記事を読んでくださった皆さんと、どこかの学会や勉強会などでお会いできる日を楽しみにしています。

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Taiki Akiba昭和大学藤が丘病院 放射線技術部

投稿者プロフィール

昭和大学藤が丘病院の秋葉 泰紀(あきば たいき)と申します。MRI歴は8年目になります。
MRIは難しいとの固定概念があり苦手でしたが、綺麗な画像を撮像できた時の感動が忘れられず、今ではMRIが楽しいと日々感じております。学会や勉強会の際には、気軽にお声かけいただけましたら幸いです。よろしくお願い致します。

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