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★Flexコイルにおけるコイルの巻き方と均一性
- 2024/4/24
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<新企画>「撮像のワンポイントアドバイス」
★~★★★までの難易度を設定し、MRIにおける基本的な注意点や撮像のポイントなどをまとめていくコンテンツです。初学者の方やローテーターの方など是非ご一読ください!
今回の「撮像のワンポイントアドバイス」の難易度は★ひとつです。
市立角館総合病院の千葉大志です。今回は、Flex coilを使用する際に均一性を高める基本についてお伝えします。
Flex coilについてのおさらい
Flex coilとはその名の通り柔らかく曲げることができ、可動性のあるコイルです。内部には小さなコイル素子が等間隔に並べられています。その可動性から汎用性に優れ、肩や膝、足関節、足趾、肘、手、手指に至るまで幅広く応用可能です。撮影部位と目的に応じて、Oの字型、Uの字型、Iの字型と、使い方の選択が可能な便利なコイルです(Fig.1)。
今回取り上げる話題ですが、四肢で使用する際にはコイルをぐるっとOの字型に一周させることが多くなります。巻きつけるコイルの長さは決まっていますが、患者さんの体格は様々ですので、中には「帯に短し襷に長し」の状態となることがあります。長さが余っている時、そのままコイルごと体を押さえてコイルの形がたわんでいませんか? 今回のお話は、コイルの形を意識して最後まで気を抜くべからず、という内容です。
均一性を見てみよう
簡単な実験をしてみます。Flexコイルを一周させ、できるだけ円に近づけたものと、楕円(縦長)にしたものの2パターンについて、SNRマップを用いて比較してみました(Fig.2)。 正円のほうは均一性が高いのがわかります。
他の選択肢は?
コイルの長さが余るからといって、コイルを必要以上に被せたり、端を余らせたりするのはありでしょうか? こちらもSNRマップを用いて比較してみます(Fig.3)。
コイルの端を被せた場合は干渉による信号低下が起き、均一性が低下しています。 また、端を余らせた場合も均一性が悪くなっています。
ちなみに筆者は、Flex coilを使用した膝の撮像時には余った空間にスポンジなどを詰めることにより、固定力の強化+円形に成形することを意識しています。
コイルの扱い方は基本を押さえることで効果を最大限に活かすことができます。視覚化することでより意識が変わるのではないでしょうか。皆様の参考になりましたら幸いです。
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