GEでは、明日のMRIを今日に、という感じでしょうか、のスローガンが掲げられました。
最初に示されたスライドは、QuantWorksという、定量化撮影の広い品揃えです。GEが一番多いですよと主張。
あと、増え続けるデータの処理方法として、2年ほど前のRSNAで始まったクラウドコンピューティングを挙げています。
新旧のポートフォリオ(機種リスト)
SIGNA Premier(プレミア)
右側の部分を拡大します。今回は、SIGNA Premier(プレミア)という機種が発表になりました。1.5T版のArtist(アーチスト)が続くようです。
SIGNA Premierは、164channnelを有する最高機種で、また、現時点では唯一、後述のAIR coilを用いることができます。
そのほか、Super Gというハイバーグラディエント(最大勾配磁場/Slew rate=80/200)が発表になっていました。ここへきて各社、勾配磁場が更に強くなっているんですね。
AIR coil technology
それで、RSNAで既報の革命的なAIR coil(詳細な説明をこちらでしました=RSNA2016 GE(下の方))ですが、復習すると、このコイルは、干渉が極めて少なくなるので、オーバーラップを大きくとれることが特徴でしたね。
RSNA時には遠くからの写真しか許可されませんでしたが、今回は自由に触れるようになっていました。本当に毛布のよう。折りたたんでも大丈夫です。
また、丸めてもコイルの干渉が発生しないので、こんな風に下肢に巻きつけることもできます。いままでのコイルの概念を大きく変える製品ですね。ちなみに写真に写っているのは、マーク・ストイツさん。以前はPhilipsにいました。今回、Asia-Pacific担当になったそうで、日本にお住まいになるんだそうです。
大きめのコイルを、大きくオーバーラップさせて配置できるので、ヘッドコイルにこれを用いると、チャンネル数が多く、かつpenetrationの良い(=ひとつひとつの直径が大きいため深部の感度の良い)コイルになります。頭部では48chコイルが発表されており、クリアランスに応じて前側の高さを変えられます。さきほどの干渉の問題がないので、高さを変えてコイルの相対配置が変わっても顕著な性能低下が起こらないのです。
毛布型とあいまって、こんなバリエーションで用いることが出来ます。
臨床画像
ウィスコンシン大学に第一号機が入ったようです。Premierは70cmのワイドボアですが、60cmスタンダードボアのMR750(注:wがつかないもの)をも超えるグラディエント性能を有しています。
頭部48chコイルを用いて、6:35でこれだけのスキャンができるんだそうです。
これは例の毛布のような30素子コイル。背側の60素子コイルとあわせて、50cmFOVの広大な視野で撮影ができます。
提示された画像はきれいです。
これは3D TRICS法で撮影した造影MRA。
前立腺のb1500撮影でもTEが55.5msで撮影可能でSNRが高い様子
肝臓のb500撮影ではTE45.5msとのこと。まあすごい余裕ですが、ここまでくるとTEを長くして撮影してT2コントラストを増やした方がいいかもしれませんね。しかしまぁ自由度があるのは良いことです。
これはPCVIPR(ピーシーバイパー)という、もともとの高速撮影法に、Density adapted imaging gradientsというのを適用して撮ったMRA。GEの人今度教えてください。
非造影PCVIPRによる4D flow解析。5:30で撮影。
3D TRICSの撮影パラメータ。3s/frameで 面内512×256が撮れるようです。
MAGiCによる自動がぞ生成。5分。
4D Flowは500um (0.5mm)のresolutionでとれます。um使うとちっちゃく思いますね〜笑。いえ、これはすごいですね。
これは今までのMR750の撮影条件で
Premierになって可能になった数値がこれだそうです。
というわけで、GEはSIGNA PremierとAIR coil technologyが非常に印象的でした。
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。