RSNA2016 その2 GE MRI (1) SIGNA Voyager/Architect/Premier/AIR technology

GEのMRIブースです。
Asia-PacificのCEOであるショーン・バーク(Sean Burke)さん(左)、また、毎年お世話になっている内海さん(右)と写真を撮りました。

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SIGNA Voyager(ボイジャー)

  • SIGNA Pioneerの1.5T版
  • 70cmボア
  • TDI搭載

GEは今回、1.5テスラの新しい機種として、SIGNA Voyager(ボイジャー)を発表しました。形状的には、SIGNA Pioneer(パイオニア)(3T装置)と似ていることからも分かる通り、これはPioneerの1.5T版と考えて良さそうです。宇宙探査機の名前として、PioneerとかVoyagerとかありますね。

70cmボア。Pioneerで初めて採用されたTDI(Total Digital Imaging)が採用されていて、SNRが向上しています。これは先週日本でも薬事が取れたとのこと。

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SIGNA Architect(アーキテクト)

もうひとつは、まだ薬事が取れていませんが、3TのSIGNA 750wの上位後継機種として、Signa Archtect(アーキテクト)が発表されています。

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いままで750wのチャンネル数は32cmまででしたが、この装置では128chまで増やせるようになっています。

↓これは新型の48ch 頭部用コイル。ちなみに(写真はとれませんでしたが後述する新しいテクノロジーにより)上と下のピースの間に、最大3cmのスペーサーを置くことが出来て、頭の小さい人には小さい空間で、大きな人には大きな空間でそれぞれ最大のQ値で撮影ができるようになっているようです。普通、こういったコイルはカップリングなどの問題があり、「大きさを変える」ことはできませんでしたがこれが可能になりました(理由は同様に後述)。%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-11-28-5-44-12

また750wでは、腹部のAnterior Coilは1つしか付けられませんでしたが、Architectでは2つ付けることが出来ます。これでWB-MRIが容易に撮れます。

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SIGNA Premier(プレミア)

ここから先は、「Technology Development Display」といって、近接写真NGの場所です。

今回GEでは、「SIGNA Premier」と呼ばれる、総力を挙げて提供する予定の装置(リサーチ用)を展示していました。70cm Boreで80/200の最大傾斜磁場/Slew Rateを持っており、チャンネル数なども最大化した装置です。

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AIR Technology – 革命的な超軽量フレキシブル表面コイル

そして今回の最も大きな発表は、何と言っても、「超軽量・フレキシブル表面コイル」でしょう。これは上の遠景写真で少し分かるように、「まるでブランケットのような」コイルなのです。実際に触らしてもらいましたがふにゃふにゃで、かつ超軽いものです。

  • INCA conduction loop(インカ・ワイア)
  • E-mode preamplifier module

という2つの革命的な部品によりできています。「INCA」はスペイン語のインカ帝国(Imperio Inca)と同じ綴りですが、どんな言葉の略号化はわかりませんでした。

写真が使えないのでスケッチで。下記のように従来型(左)では、銅でできた配線で、基盤もごついものですが、新型コイル(AIR Technology)では、青く半透明な、まるでグラスファイバーを少し不透明にした質感の、あるいはプラスチックぽいフニャフニャのワイヤがはいっていて、E-modeと呼ばれているAmplifierも非常に小さいものでした。従来が1チャンネルあたり175グラムのところ、新型は45グラムのようです。

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↓この結果、こんな風に、まるで毛布のように、軽量で、フレキシブルなものを、患者さんに「掛ける」ことができます。

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このコイルでとても重要な事は、従来とは異なり、かなり重なってもコイル間の干渉が起きないことです。

  • Current Noise Cancelling
  • Adjustable coil overlap and flexibility
  • Controls both B & E
  • Field coupling in conjunction with INCA wire

と書いてありました。

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↑上記のように、2つのコイルをA→Dのように近づけていくと、Dでは干渉してしまって感度が無くなるのですが、新しいAIR Technologyでは大丈夫なのです。

これが何を意味するかというと、

  • 沢山の素子で
  • より大きなコイルオーバーラップさせた

コイルを作れるということです。つまり、深部の感度が良い(あるいはpenetrationのよい)多チャンネルシステムができるわけですね。また、overlap量にある程度の許容範囲を生じるので、先に示した48chのヘッドコイルにスペーサーを入れられるようになるわけです。

これはスゴイ。いつ実現するのでしょうか。

Freelium Technology – ヘリウムが1/100で済むマグネット

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それでも「実現したらこうなる」というディスプレイはよくわかりました。1/100ですから、クエンチしてヘリウムがMRI検査室に漏れても、大した量ではないので、安全なんですね。だから

  • クエンチパイプが不要(ビル壁を通す必要がなくなる)
  • 高さが低くなる(クエンチパイプが伸びないので)

ということになり、設置条件が非常に良くなります。低い天井の部屋でもOK。これも驚きました。以上、GEブースから、新型装置と、将来可能になる(かもしれない)Technology Development Displayなどをご紹介しました。

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tarorin東海大学工学部 医用生体工学科 教授

投稿者プロフィール

MRIの撮像・フィルム焼き・患者導入に従事していた経験を活かし、企・技・医の中間の立ち位置を大切にしています。モットーは研究結果を中立的に判断すること、皆で研究成果を愉しむことです。

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