ITEM2018(5) 〜 Siemens編

マルチバンド-TSE(turbo spin echo)技術を用いた撮像時間の短縮について

近年、k空間の充填方法を工夫する圧縮センシング(以下、CS)によって高速撮像を可能にするという技術が注目されています。もちろんSIEMENSでもCS技術は可能です。今回注目したい技術を1つ紹介します。とうとうSIEMENSでマルチバンド技術を用いた高速スピンエコー法が使用可能になりました。通常、1TR内で1励起で1スライスしか撮像ができませんが、このマルチバンド技術を用いることによって1TR内で複数励起で複数枚数の撮像が可能になります。例えば20枚撮像するのに5分かかっていた撮像があるとします。そこでマルチバンドファクター5を使用すれば1分で20枚を撮像を終了することができることになります。CS技術とは全く違う手法でトータルの撮像時間を短縮する技術です。ちなみにマルチバンド技術は今まではEPIシーケンスしか使用できませんでした・・・・。臨床応用画像として図1、図2に示します。なお、最新3.0TMRI装置 MAGNETOM Vidaに搭載される予定です(図3)。

図1:マルチバンドTSEを用いたT2WI

図2:マルチバンドTSE技術を用いた足関節

図3:MAGNETOM Vida3.0T

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北川 久東京慈恵会医科大学附属柏病院 放射線部

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MRIの奥の深さにいつも悩まされています。
おそらくゴールの見えないMRIをこれからも追い続けるでしょう。

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