RSNA2014 その5 〜GE MR SIGNAが帰ってきた!

みなさん、「GEのMRI」って言ったらどんな言葉を思い浮かべますか?

SIGNA Returns

・・・絶対、「SIGNA」ですよね。

Discovery MR750wとか、なんじゃその  「発見! 750(笑)」  みたいなチャラチャラしたネーミングはっ! って憤懣やるかたナイ人もいるんじゃないでしょうか。かく言うワタクシめも、獨協大学で島津のSMT-150Xを使った後のマシンは、ピカピカの、SIGNA Advantage 1.5T (Independent Console付き)でした!あの、未来的なコンソール。オレンジに光るタッチスクリーンディスプレイ (1990年!)の超絶的カッコよさ。最新鋭の宇宙船みたいでときめき、操作している自分に陶酔すら感じたものです。そのSIGNAが、いつしか、パソコンっぽいコンソールになり、SIGNAの名前も消え・・・・ てはいけない!ってことで、今回発表された新しいマシン3台は、「SIGNA Returns」と銘打って、「SIGNA」の名前が冠されたのです。きっとSigna甲子園の高橋光幸さんが涙を流して喜ぶことだろう (^^)

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SIGNA Pioneer

最初のマシンは、SIGNA Pioneerです。以前のHDeのように、日本(の日野)の部隊で作られたらしいです。・・・ということは省スペース。

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写真のように、奥行方向の飛び出し(extended bridgeというそうです)が短く、45cmです。3Tなのに、29平方メートルの空間に入るらしい。さすが日本の設計。横っ腹のデザインは、750wとはかなり違っています。
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GEのMRIポートフォリオでいくと、最近はハイエンドがDiscovery、パフォーマンスがOptima、普及型がBrivo(ブリーボ)と呼ばれていましたが、SIGNA Pioneerは、ハイエンドに相当する機種で、既報のMAGiCが搭載されます。

スクリーンショット 2014-12-01 15.39.36

MAGiCでは、プリセットメニューで計算する画像のパラメーター(Viewpoint(s)と呼ばれているらしい)を入力しておけば、自動的に欲しいコントラストが作成されます。

スクリーンショット 2014-12-01 15.41.16

それから、これは日本というよりも米国の都合でしょうが、天板の左右径が長く、56cmもあるそうで、横幅のある人も、腕を横に置いて撮影ができます。内海さんがiPadをかざしてくれました。なお、頭部コイルと、GEM anterior array (AA) コイルはP1〜P4まである天板スロットに接続できます。
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SIGNA PET/MR

これは今回FDAのapprovalを取得できたので、売ることができます。MRI部分は750wがベースで、PETは半導体検出器(SiPM; Silicon Photo Multiplier)が付いています。

最大の特長はTime of Flight計算ができること、とのことでした。SNRが良いのですね。Axial FOV(PETでは頭尾方向の長さのことを言う)は25cmとかなり長いです。

それから写真のように、Posteriorコイルは天板埋め込みではなくて、ガントリ背面埋め込みになっています。

スクリーンショット 2014-12-01 15.50.45

天板埋め込みだと、Posterior コイルが動くことになるので、検出器と干渉するので、それを防止するための措置だそうです。またattenuation correctionも正確になる効果があるとのこと。

天板がそうしたら薄いのかな〜(身体とコイルの間の距離を短く保つために)と思って見てみたのですが、こんなふうにすごく薄くなっていました。

スクリーンショット 2014-12-01 15.54.48

 

SIGNA Explorer

SIGNA Explorerは、ハイエンド相当機種です。60cm standard boreです。MAGiCは搭載されませんが、Silent ScanやPROMO 3D、FOCUSはできるとのこと。

スクリーンショット 2014-12-01 15.57.08

DV 25.0

新しいソフトウエアバージョンDV 25.0についても少し聞いてきました。

スクリーンショット 2014-12-01 15.58.56昨年、DV 24で搭載の
(1) PB (Pencil Beam) Navigation
(2) 3D PROMO
(3) FOCUS Diffuion
に加え、今年は2つの新しいシークエンスが加わります。

Turbo LAVA

ひとつめはTurbo LAVAです。SMASH型のparallel imaging (ARC)2×2 factorを用いて高速にLAVAが撮れます。Turbo LAVA FLexでは、2point DIXONで脂肪あり・なし画像が得られます。

スクリーンショット 2014-12-01 16.00.55スクリーンショット 2014-12-01 16.03.20

DISCO

もうひとつがDISCOです。これはMRAにおけるTRICSと同じような感じで、ダイナミック撮影用に開発されたもののようです。k-spaceのサンプリングが、少し異なるようでした。
スクリーンショット 2014-12-01 16.05.27このように、腹部のダイナミック3D撮影(Navigator コンパチなのでNon breath-holdも可能)に使えます。

スクリーンショット 2014-12-01 16.05.57

以上、GEのMRI紹介でした!

 

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tarorin東海大学工学部 医用生体工学科 教授

投稿者プロフィール

MRIの撮像・フィルム焼き・患者導入に従事していた経験を活かし、企・技・医の中間の立ち位置を大切にしています。モットーは研究結果を中立的に判断すること、皆で研究成果を愉しむことです。

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