★ 救急脳MRI DWI b= 0画像の便利な使い方

<新企画>「撮像のワンポイントアドバイス」

★〜★★★までの難易度を設定し、MRIにおける基本的な注意点や撮像のポイントなどをまとめていくコンテンツです。初学者の方やローテーターの方など是非ご一読ください!

今回の「撮像のワンポイントアドバイス」の難易度は★ひとつです。

~b= 0画像で出血を検出しよう~

みなさん、救急脳MRIを撮像する際に、どのシークエンスを一番に撮像しますか?

おそらく、DWIを最初に撮像すると思います。DWIと言えば、b= 1000画像を連想しますよね。
しかし、b= 0画像も忘れてはいけません。
(施設によってb値は異なるかもしれませんが、脳DWIにおいてb= 1000とb=0の2種類を取得している前提とします。)

b= 0画像の役割

なぜ、b= 0画像を撮るのでしょうか?それは、ADC mapを作成するために複数のb値の信号が必要だからです。原理的にはb= 0でなくてもADC mapは作成可能です。しかし、b= 0であればMPGを印加しなくていいので、信号が高く、撮像時間を短縮できます。したがって、低いb値は”0”で撮像することが多いのです。

b= 0画像で出血を検出しよう

前置きが長くなりましたが、救急脳MRIにおいてb= 0画像の役割は”(陳旧性)出血の検出”です。
EPI収集のため、磁化率の変化に鋭敏です。もちろん、T2*WIには劣りますが、大きな出血はちゃんと分かります。

(図1 左: b= 0画像 右: T2*WI)

ポイントは、ウィンドウ調節

図2のように、WWを絞り、WLを上げます。目安は、白質と灰白質のコントラストがつかないくらいでCSFが真っ白に、という具合にウィンドウ調節します。

(図2 左: 通常のWW/WL、右: 出血が見やすいように調節したWW/WL)

また、装置によりますが、b= 0画像は b= 1000画像よりも先に撮像します。そして加算回数は ”1” だと思います。よって、数十秒の短時間で画像が閲覧できるという救急でのメリットがあります。

救急現場での脳b= 0画像活用法

検査開始後、わずか数十秒でb= 0画像が得られ、大きな出血の有無が判断できます。その後にb= 1000画像が得られ、急性期脳梗塞の判定が可能です。

時間が限られる救急現場では、先生方が早急に「出血」か「梗塞」か鑑別したいときに、b= 0画像の活用は非常に効果的です。技師もまた、撮像シークエンスの優先度を立て、時間を有効に活用できます。
急性期脳梗塞が疑われる場合は、MRAやASLを優先的に。出血の可能性があれば、T2*WIを、そしてCTの準備を進めるなど、迅速で的確な対応が可能です。

ぜひ、b= 0画像を救急脳MRIに活用してみてください。

Chief Editor’s Comments

最近は、画像を見ないで検査を終了したり、画像のWindowを調整しないでPACS送信をする担当技師が増える中、画像をまず見ようとする姿勢、さらにWindowを調整することでより見えやすくする取り組みがとても良いと思います。

陳旧性の血腫を見るのに、「この方法でも見える」といった代替手段を知っておくという意味でも大切です。

MRIは、実質臓器だけに目が行く読影医も多いです。

「肺のT2WI」は、ほとんど誰も見ようとしませんが、実は、Windowを調整するとかなりの病変が見えています(これを「肺野条件」として送信してくれる病院もあります)。こういったこと全般に熱心になってくれる技師さんが増えると、主治医などに情報が届き、ひいては患者さんのためになりますね。

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nagashima北九州市立医療センター 放射線技術課

投稿者プロフィール

福岡県の北九州市立医療センターの長島と申します。20年近くMRIに携わっています。
ずっと古い装置を扱ってきて、最近新しい装置が導入されました。
若い頃にMRIで”こんなことができたらいいなぁ”と思っていたことが、今の技術で可能になること、拡がりを持つことを実感しています。色々な発信ができればと思っております。

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