コイルフレーム(メディカルエキスパート)( MedEx; メディックス)

東海大に、メディカルエキスパート社(MedExと略すらしい)の長瀬さんがいらっしゃいました。「コイルフレーム」というのを作ったのでぜひ見て欲しいとのことでしたが、割りと良さそうなので紹介します。

スクリーンショット 2015-04-15 8.57.13

↓熊本中央病院の協力で開発していて、こんな形状のものらしいです。

スクリーンショット 2015-04-15 9.00.38

 

説明を聞いてみると、

  • コイルが頭尾方向に傾く(胸が高く、下腹部が低くなる)のを防止できるので、背中側のコイルと並行になり、均一性を保ちやすい
  • 患者さんが「コイルが重い」と感じるのを防げる
  • 密着していないので、風通しが良くなり、暑くなるのを防げる

というのが主な利点のようです。

「患者さんの体型ごとに高さを変えられるのか」について聞いてみたところ、簡単にできるんだそうです。まだ実物を見ていないけれど、こたつに入っているときの座椅子(あの、カチカチっていって背もたれの傾きを調節できるもの)のような構造になっているそうです。

↓ 豊成さんの後ろ側の写真が、低い時と高い時を示しています。なお、ITEMで、メディカルエキスパート(MedEx)のブースで展示するとのこと(ブース番号337)。

スクリーンショット 2015-04-15 9.01.24

 

Chief Editor’s Comments

1)均一性について

シーメンスのWB-DWIの画質改善がなかなかうまく行かなかったのですが、最終的に、患者さんからコイルをすこし離すことにより、めちゃめちゃ脂肪抑制が良くなりました(シーメンス渡辺さんのアイデア)。いまのところタオルを挟んだりして使っていますが、これがあると、このMedEx社が主張するように平行にもなるでしょうし、また患者さんとの間の距離もとれるので、良さそうです。熊中で開発したのでフィリップス用とのことですが、これから他社用も開発するとのこと。なお、このようなコイルフレームは、各社、治療計画用に同様のものはあるのですが、当然70cmガントリ用。これは60cm用のもあるので、旧来の機種でも大丈夫とのことでした。

2)患者さんの不快感(重い、暑い)の防止について

元気な患者さんではそれほど問題にならないのですが、DWIBSで経過をみていると、とても調子が悪くなる方がいらっしゃいます。そのような患者さんは、ただ寝るだけでも辛いので、重さと暑さがキャンセルできるこのコイルフレームがあるといいなと思いました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

tarorin東海大学工学部 医用生体工学科 教授

投稿者プロフィール

MRIの撮像・フィルム焼き・患者導入に従事していた経験を活かし、企・技・医の中間の立ち位置を大切にしています。モットーは研究結果を中立的に判断すること、皆で研究成果を愉しむことです。

この著者の最新の記事

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

MRIfan.netからのメルマガを受け取る!

※以下ドメインメールアドレスはプロバイダのフィルタが厳しく、到達率が低下しております。
確実なメール受信の為に、GmailもしくはYahooアドレスでの登録を推奨しております。

@icloud.com @me.com @mac.com @hotmail.com

*メールアドレス
*お名前(姓)
*種別

おすすめ記事

  1. 前回の記事では、Fast 3D Wheelを用いることで、ルーチン頭部MRAがわずか2分半で撮像で…
  2. (追加・修正)Philipsのスライス厚(Package 1のとき)を修正しました。また、IR pu…
  3. 横浜栄共済病院の高橋です。今年のITEM2024でAIRS MEDICAL社のSwiftMRの記事…
  4. はじめに・・・ 東海大学医学部付属八王子病院の診療放射線技師 大塚勇平です。GE-HC社製M…
  5. <新企画>「撮像のワンポイントアドバイス」 ★~★★★までの難易度を設定し、MRIにおける基…

プレスリリース

登録されているプレスリリースはございません。

Facebookもチェック!

話題をチェック!

  1. 2019-1-12

    ペースメーカ本体(ジェネレーター)の型番だけで、MRIの安全性を判断しないでください!!

    心臓ペースメーカの構造って? 一口に心臓ペースメーカといっても、下図に示すようにペースメーカ本体(…

年別アーカイブ

ページ上部へ戻る