はじめに
編集委員の飛田麻里子です。
普段はみなさまの原稿に目を通す側で、今回のように自分のことを文章にするというのは不慣れなのですが、お付き合いいただければ幸いです。
自己紹介
茨城県出身です。大学院で放射線計測学を専攻し、卒業後は県立病院、脳神経外科の専門病院(クリニックを含む)を経て、現在の茨城県西部メディカルセンターに勤務しています。編集委員としては、前職の先輩のご縁で、今の職場に移るタイミングにて加わりました。
当院は、二つの病院が合併して開院した施設です。開院時には先輩方と一緒にMRIの新規プロトコルの検討や、既存の条件の見直しを行ってきました。今の職場は基本的にローテーション制のため、MRI専従というわけではありませんが、前職の脳神経外科の専門病院では、ほぼ毎日MRIを撮像していました。専門病院ならではの環境で一つの分野を突き詰める面白さを味わえたのは、自分にとって大きな財産になっています。数ある臨床分野の中でも、脳神経外科は今でも一番好きな領域です。
MRIと自分
なぜこうなるのか、を突き詰めて考えるのが昔から好きでした。今でも大変お世話になっている前職の先輩に、MRIの原理と脳外科の知識のとても深いところまでご指導いただいたことが、MRIにのめり込む一番のきっかけだったと思います。
放射線計測学は、見えないもの(放射線)を数字という見えるもの(測定値)にする学問です。MRIも同じように、見えないもの(人体の内部)を見えるもの(画像)にしています。どちらも、見える形になるまでにはたくさんの過程があります。色々なことを学び、たくさんの方々にご指導いただく中で「どんな機序で、何が起きて、どんな原理でそれを形にしているのか」を考える癖がつきました。放射線技師という職業として捉えると、技術職である以上、自分が使う装置のことはきちんと理解して活用したいと思っています。
前職ではGE社、現職ではPhilips社の装置を使用しています。同じシーケンスでもメーカー独自の工夫により微妙に原理が違うこともあり、シーケンス名と撮像原理を頭の中で紐づけて理解するのは大変で、MRI自由自在、MRI完全解説、MRI応用自在、MRI Questionsなどは何度も繰り返し読みました。
大学院時代の指導教官は「無いなら作れば良い」と、必要なものは何でも自分で作ってしまう方でした。当時の自分にはそれを実現する力量はありませんでしたが、ここ数年は生成AIのおかげで色々なことができるようになりました。今はまだ自分用としての活用がほとんどですが、そのうち皆の役に立つようなものも作れたらいいなと思っています。教科書や臨床現場での経験に加え、生成AIを使った調べ物や壁打ち、他施設の技師との情報交換、全国各地のWebセミナー、通勤中に聴くPodcastなども、自分にとって大事なインプット先になっています。
MRIの魅力は、自分の工夫次第で画質が変わることと、昔はハードウェアの制約でできなかったことや当時は注目されなかった手法が、今の装置で撮ってみると新しいアイデアとして生きてくることだと思っています。そのような温故知新的な撮像法や、TSE DWI、single shotのFLAIR、EPIで撮るT2*、GyroCupやSigna甲子園など、皆様のアイデアに触れるたびに、他のモダリティにはない面白さを感じます。
私自身の変化
プライベートでは、子どもができてから、行ったことのない場所に足を運んだり、釣りやキャンプ、子どもの服の修繕を行ったりと、新しい経験が増えました。お祭りですくってきた金魚は、子どもの命名で「メリーちゃん」という名前になり、元気に泳いでいます。家事・育児・仕事に追われ自分の時間を捻出するのは大変で、やんちゃな子どもを前に自分の無力さを感じる一方、親の働きかけで興味の幅が広がっていく様子は面白いなと感じます。人と口論になることはほとんどないのですが、子どもとはよく喧嘩します(笑)。
以前は小児のMRI検査を担当する時にはどうしても「大変な検査」という印象がありました。しかし今は「どうしたら本人が前向きに検査に向き合えるか」を考えるようになりました。鎮静が必要な場合、効くまでの時間は親御さんに頼らざるを得ませんが、1人でしっかり検査を受けられるかどうかはその子への働きかけで大きく変わることもあるかと思っています。
当院には小児科はありますが、小児専門病院ではなく、チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)のような専門職がいるわけではありません。そのため、話ができる年齢の子には、時間が許す範囲で丁寧に説明をしたり、その子の好きなものを聞いて話題にしてみたり、検査前に離れたところから装置を見てもらったりするなど、できるだけ丁寧な準備を心がけるようになりました。それでも、装置の大きな音で怖くなったり、検査前から緊張で固くなっていたり、検査のことを話すだけで泣き出してしまったりと、小児検査の難しさを感じる場面は少なくありません。最近は小児が検査を受けやすくなるようなメーカーの取り組みも増えており、そうした工夫を参考にしながら、自分なりにできることを模索しています。
最後に
編集委員として皆さんの原稿を読ませていただく中で、それぞれのMRIへの向き合い方にいつも刺激をもらっています。学会や勉強会等でお会いした際には、どうぞよろしくお願いいたします。横浜の総会はコロナ禍を除いて学生の頃から毎年参加しています(最近はITEMのみ参加の年も多いですが…)。技師として、また編集委員として、これからもMRI fan.netを通じて多くの方とご縁があればと思っています。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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