みなさん、こんにちは。MRIfan.net 編集委員の長島利一郎(北九州市立医療センター)です。
今回「RADっていいとも」を担当することになりました。これから、九州で活躍するMRI愛にあふれる素敵な方々にバトンを繋いでいきたいと思います!
自己紹介
福岡県北九州市にある北九州市立医療センターで、診療放射線技師になって約20年、毎日MRI検査を担当しています。
この企画の自己紹介といえば皆様の素敵な趣味のお話が定番ですが……私はキャンプ、釣り、ゴルフなどを少し試してはどれも長続きせず、記事に書けるような趣味がありません(汗)。その分、本業である大好きなMRIのお話をさせてください。
1年目からMRIに触れた「恵まれたスタート」
私の技師としてのキャリアは、そのままMRI歴の長さでもあります。
今の病院は転職先(2箇所目)なのですが、最初に就職した中規模病院では、一般撮影・CT・透視・血管造影・RIと幅広いモダリティを経験させてもらいました。よく「MRIは数年経験してから」と聞きますが、私は幸運にも1年目から他のモダリティと並行してMRIを担当させてもらえたのです。
その病院はメーカー様との共同研究が盛んで、開発担当の方々と一緒に仕事をする機会に恵まれました。新人の頃に置かれた環境は、その人にとっての「当たり前(正解)」になります。右も左も分からない時期に、最新情報に触れられ、学会発表のチャンスまでいただける環境に身を置けたことは、今の私にとって大きな財産です。
恩師と過ごした、毎日の「1on1」
そして何より大きかったのは、技師であり研究者でもある「恩師」との出会いです(※この『RADっていいとも』でも紹介されている方です)。
1年目の私がパラメータを一つ動かすと、すぐに恩師から声がかかります。
「なんでそうしたの?」
そこから熱いディスカッションが始まります。パラメータの話から始まり、気づけばフーリエ変換の方程式を書いていたり、DWIと灌流(Perfusion)の話から対象臓器の病理図譜を開いていたりと、原理と臨床を縦横無尽に行き来する時間でした。
当時の私はこれを「普通のこと」と思っていましたが、この「操作室での毎日の”1on1″」のおかげで、「原理と臨床知識をリンクさせる視点」や「正解である病理をMRIでどう表現するか」という思考回路が叩き込まれました。
メーカー開発担当者から教わった「MRIの真髄」
共同研究では、メーカーの開発担当者の方とWIPシーケンスの画質改善ミーティングも頻繁に行われていました。
最初はちんぷんかんぷんで「さっぱり分かりません」と伝えると、何冊かの英書(当時はDeepLもLLMもなく苦労しました……)を薦められ、必死に読むうちに徐々に理解できるようになっていきました。
現場では開発者がRFなどのコアな部分を直接調整し、実機で画像が変わっていく様子を目の当たりにしました。そこで議論されたのは、「誰でも簡単に撮影できる操作性」と「自由度や原理との整合性」のトレードオフです。
私たちが普段扱っているのは、事故や間違いを防ぐために開発者の方々が作ってくれた「安全な枠組み(制限されたパラメータ)」の中なのだと実感できたことは、MRIの本質を理解する上で貴重な経験となりました。
新人の頃から変わらない「なぜ?」の探求
今振り返っても、私のMRIキャリアのスタートは本当に「運が良かった」と思います。
教わったことに見合う成果を出せているかは分かりませんが、毎日臨床で画像を撮りながら「なぜ? なぜ?」と考え続ける姿勢は、新人の頃から今も変わりません。現在は個人的にパルスシーケンスの改変に取り組むなど、当時とはまた違った形でMRIと向き合っています。
あの濃密な1on1や開発者との距離感をそのまま再現するのは簡単ではありません。しかし、自分が教えてもらった知見を今の環境でどう伝え、自分の施設を「若手技師にとって幸運な場所」にしていけるか、日々手探りで挑戦しています。
仕事の話ばかりになってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました! 北九州の片隅から、これからもMRIの面白さを発信していきます!

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