フィリップスのMRIブースで今年の新しいトコロを聞いてきました。
今年は3つのメインコンセプトがあるそうです。最初のは、速くて安全、かつ快適な検査、についてです。
[1] 速くて安全、かつ快適 その1:ScanWise
MRIにフルコンパチブルでないものは、「MR Conditional」と呼ばれる条件付き使用可能デバイスですが、
こんな風に、情報が提供されて、これに基づいて自動的にRFの出力制限などを行ってくれるという、技師さんにとっては大変ありがたい機能です。
[1] 速くて安全、かつ快適 その2:mDIXON XD
以下のようにFatSatには不満足なことが多いのですが、以前からレポートしているmDIXON XD(ISMRM Philips Lunchon)でこういった問題を解決しているとのこと。
[1] 速くて安全、かつ快適 その3:Enhanced In-bore experience
もともとフィリップスでは「Ambient Experience」などの取り組みで、ガントリに入っている患者さんに映像などを提供することで快適にMR検査を受けてもらってきましたが今回は、それが「Enhanced」となったようです。
具体的には、下の写真のように、映像内にProgress Bar (検査の進捗状況を示す)が表示されたり、左下のように、息止め時間を表示したりするようです。
息止めのマークはよく見えないかもなので大きくしておきますね。こんなふうに息止めの時間がわかるといいですね確かに。この間も、MRI検査を受けた知り合いが、「あんまり長くて、もう息が止まるかと思った」(とめてるんだけど笑)と言っていましたからね。
[2] Advanced Technique (WIP)その1:マルチバンドSENSE
Multi-band SENSEが可能になるようです。これは、一つのRFパルスで同時に複数断面を励起する技術。RF波の位相や強度を高度にコントロール必要があります。
これが可能になれば、HARDIなど、時間のかかるDTI関連撮影も高速になります。これがDWIBSで動作すると、たとえば2倍速になると、ほぼ間違いなく30分でWB-MRI(including DWI)の検査が可能になる。これはすごい。一日も早く欲しいですね。
[2] Advanced Technique (WIP)その2:CINEMA
そしてとうとうAdvanced arterial labeling技術のCINEMAが製品になります。かつて八重洲クリニックで診療放射線技師として活躍していた中村さんの作品。論文にもなっていますよ[Vessel selective CINEMA論文]。日本人の考えたシークエンスが製品になるというのはうれしいですね〜。
というわけで、開発した中村さん。うれしそう (^^)
右は島田営業本部長、執行役員さんです。いつも話を聞いてくださってありがとうございます(=沢山苦言を聞いていただいておりますm(_ _)m)
[2] Advanced Technique (WIP)その3:iMSDE
iMSDEを用いて、造影した際に、動脈瘤の壁の造影効果がよく分かるので、これを用いて将来の破裂リスクを評価することに使えるかもしれないそうです。山形市立病院からの写真。
もうひとつ、これは米チャンの考えたやつですね。米山さんも八重洲クリニックで働いていた診療放射線技師さん。この2人はスゲ〜人達で、フィリップスの賞やらMR学会の賞を総なめにしましたね。[MR neurography論文][brain meta論文]
[2] Advanced Technique (WIP)その4:Zoomed DWI
これはZoomed DWIですね。
[2] Advanced Technique (WIP)その5:SyMRI
そしてこれが、既報のSynthetic MRI。R5.2の正式オプションになることが決まりました。
[2] Advanced Technique (WIP)その6:Free breathing mDIXON
これはGolden Angleを用いた撮影する自由呼吸下撮影のmDIXION。これがあるとかなり便利になると思います。
[3] MRIを用いた治療 その1:MRCAT
mDIXON系のシークエンスは、b0 shimmingをするので画像の歪みがとても小さいそうです。この高い信頼性を用いて、MRIのみでTargetingを行って、前立腺に放射線治療をするとのこと。
[3] MRIを用いた治療 その2:HIFU
HIFUはいろいろなところに使われてきていますが、骨メタに対する除痛のためにも使えるようです。
[3] MRIを用いた治療 その3:手術室2つ用のIntraoperative MRI
東海大学にもMR-OR(MRI室と、手術室(OR))が隣になっているのがありますが、これはさらに進んだシステムで、OR-MR-OR型とのこと。右からも左からも手術中の患者さんを受け入れて撮像できるというシステム。
というわけで、以上がフィリップスMRIの報告でした!
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