日立さんでは、5種類のMRIを展示していました。ハード的には新しいものはないようでしたが、ソフト的にはなかなか良いものが載っていました。Oval 1.5Tに搭載されているもの、これから搭載されるものを紹介しますね。ちなみにOval 3Tには近日搭載の努力をされているようです。

00 Oval15

SOFTSOUND

まずはSOFTSOUNDと呼ばれる静音化技術です。日立さんが目指しているのは、撮影時間が長くならないようになるべく最適化したシークエンスとすることのようで、この展示では、同じ時間で70〜80%の静音化が得られていますね。

01 SOFTSOUND

Iterative reconstruction

次はIterative reconstruction(逐次近似)による低SNRの改善です。これはものすごく効果がありそう。

02 Iterative recon

ちょっと写真が光ってしまって見にくいので、近接撮影したものも示します。そういえば、今年はなぜかほとんどの会社でノングレアタイプ(光らないタイプ)のディスプレイになっていました。日立さんもそうだとよいですね。

03 iterative recon2

そのほか、QSIができるようになるようです。

04 QSIまた、DKIも。これができちゃうのはすごいですよね。

05 DKI

Beam SAT

あととても興味深いのは、BeamSATです。ペンシル状の局所励起(というか局所抑制)SATパルスを使って、特定の動脈を消せたりします。この例だと(外から実際に圧迫もし得る)内頚動脈ですが、椎骨動脈のように外からは圧迫できないものだと有用性が高いですね。

06 BeamSAT

同様に、これは門脈の起始部にBeam SATを打った例です。ON/OFFしてサブトラすると門脈撮影になります。

07 BeamSAT2そのほかRADAR(BLADEのようなもの)は、日立さんの場合はFSEだけでなくSE(1本の”BLADE”)でも使えるのがメリットだったわけですが、今度はTOFでも使えるそうです。

08 RADERアプリはかなりがんばっていますよね。以上日立のMRIの報告でした。

あ、そうそう。4月からは、アロカと日立メディコは合併して、日立ヘルスケアになるそうですよ。

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tarorin東海大学工学部 医用生体工学科 教授

投稿者プロフィール

MRIの撮像・フィルム焼き・患者導入に従事していた経験を活かし、企・技・医の中間の立ち位置を大切にしています。モットーは研究結果を中立的に判断すること、皆で研究成果を愉しむことです。

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