皆さん、こんにちは。静岡済生会総合病院 山崎敬之です。
今年もITEM2023に行ってきました。ITEM会場は大勢の人で賑わっており、活気に溢れていました。コロナ前を思い出し、嬉しく思いました。
さて、私からはWorkstationのUpdateついて報告させて頂きます。
①SYNAPSE VINCENT(富士フィルム)
SYNAPSE VINCENTはメディカルAI技術「REiLi」により、さらなるバージョンアップを遂げました。その中で今年のtopicsは、直腸解析です。直腸解析とは、直腸疾患とその周囲の臓器、血管、神経の位置関係を3D表示する機能です。仮想内視鏡モードでのシミュレーションも可能です。
直腸解析機能を詳しく紹介します。
直腸解析は、T2強調画像の3Dシーケンスで撮影された画像を用います。そして解析を行うと、精度良く骨盤内の臓器、血管、神経などを自動抽出します。
尿管や膀胱も自動分離します。 自動抽出の精度に驚きます。
そして、直腸疾患をマニュアル操作でトレースすることにより、直腸疾患と周囲の臓器、血管、神経の位置関係が非常に明瞭となります。直腸解析は臨床に有用なソフトであると感じました。
②REVORAS(ziosoft)
Ziostation2が一新され、Ziostation REVORASとなりました。
コンセプトは「Smart Imaging」です。REVORASを使用すれば、誰でも簡単に
Volume Rendering (VR)処理や解析処理を行えます。
今回は、追加されたMRI機能について紹介します。
まず、MRIの心機能解析です。REVORASになり、自動トレース機能がパワーアップしました。そのため、とても精度良く左室内腔、外腔をトレースします。さらに右室も精度良く自動トレースします。トレース精度の高さに驚きます。
次は、心筋ストレイン解析です。データを開くと同時に、心筋の輪郭を自動抽出、トラッキングします。そして、解析ボタンを押すと、ストレインマップを作成できます。操作はシンプルで、とても簡単にストレイン解析を行えます。
次は、T2マップ解析です。REVORASになり、T2マップ解析が追加されました。またT1マップ、T2マップのユーザーインターフェイスが変更され、簡便にカラーマップを作成できるようになりました。
最後にCTの追加機能と新しいレンダリングエンジンを1つ紹介します。
CTの追加機能は、非造影で撮影された胸部CT画像から肺動脈と肺静脈を自動抽出、自動分離できます。さらに食道も自動抽出できます。非造影で精度良く肺動脈と肺静脈を自動抽出できることに感動です。
そして、新しいレンダリングエンジン「レンブラント」は、VR画像に影をつけ、光源の強さを詳細に調整することで、今までにないリアルな画像表現を実現しています。
REVORASは日々の画像処理時間を大幅に短縮してくれるWorkStationであると感じました。
③BD-Score(PixSpace)
PixSpaceの提供するBD-Scoreが薬事承認となり、長瀬産業より販売を開始しました。BD-Scoreとは、全身DWI画像において、画像上の高信号領域を自動で抽出し、定量的な治療効果判定を可能にするソフトウェアです。
BD-ScoreはDWI高信号領域の総容積(tDV)を数値として表示します。その値を治療前後で比較することにより、治療効果を定量的に判断できます。BD-Scoreについてより詳しく知りたい方は当サイト内「BD-Score proのご紹介」記事をお読みください(使用時の注意点についてはこちら)。
BD-Scoreは全身DWI画像だけでなく、局所のDWI画像においても使用できます。
最後に
ITEM2023にてworkstationの取材を行いました。各社の血管や臓器に対する自動抽出の精度に驚きました。そして、各社のworkstationは臨床にとても有用であり、さらに私たちの日々の業務を援助してくれる素晴らしいものばかりでした。すぐにでも使ってみたいと感じました。
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