はじめに
はじめまして、愛知県瀬戸市にある公立陶生病院の中村 幸弘と申します。
当院は名古屋市の東に位置する30診療科、ベッド数633床の公立総合病院です。
今回、14年使用したMR装置のアップグレード(SIEMENS MAGNETOM Avanto→Avanto fit)を行いました。
AvantoはロングボアでZ方向の均一性に優れ、Slew lateが125T/m/sから200T/m/sに向上することから、BodyDWIに非常に適した装置であるといえます。
そこで、わがままを聞いていただいて、DWIBS解析ソフト「BD Score pro」を購入していただきました。
「BD Score」は愛知県初、「BD Score pro」は全国初の納入とのことでしたので、この場をお借りして簡単に紹介させていただきたいと思います。
まず、BD Scoreについて…
BodyDWI研究会に参加されている方はご存じかと思いますが、「BD Score」は、DWIBSのDiffusion画像とb=0の画像からADC値を計算し、tDV(total Diffusion Volume:ADC低値の領域の体積)を求めるソフトウエアです。
複数ステーションに分かれた画像を自動でつなぎ合わせを行い、ウインドウ調整もある程度行ってくれます。アキシャル画像でも、ダイレクトコロナルの画像であってもOKです。
目的とする領域を選択してヒストグラム表示も可能で、尖度や歪度といったADCの統計計算も可能です。
そして、BD Score proは…
BD Score proで新たに追加された機能は大きく2つあります。
ひとつ目は、T1やT2など、同時に読み込んだ画像とのFusionがワンクリックで簡単に行えるようになったことです。
Fusion画像のAxialのMPRも、ワンクリックで作成・PACS転送まで行うことが可能です(技師にとってうれしい機能です)。
ふたつ目は、過去の画像を並べて表示が可能になったことで、Fusion画像なども容易に比較参照が行えるようになりました(これは画像診断医や臨床医の先生方にはうれしい機能ですね)。
BD Score proでは、画像のつなぎ合わせや、反転、各StationのWindow調整など、煩雑だったBodyDWIの後処理をかなり軽減してくれます。
薬機未承認ということで、今のところあくまで研究用ソフトではありますが、もっともっと改良が進んで、BodyDWIが日常臨床で広く活用される日に向けて、微力ながらお手伝いができたら…と考えています。
《左から、販売代理店Tip-Runの紙谷(かみたに)さん、PixSpace社長 阪本さん、私です》
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BD-Scoreの使用時の注意点について、
「Composing(Stitching)時の輝度補正がADCカラーmapを変えてしまう」という記事(以下のリンク)で紹介しています。
そちらも併せて参考にしてみてください。
https://mrifan.net/ingenious/16630