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JR札幌病院の菊田と申します。この度はGyro Cup 2024で発表を行った、Bone ImageとNerve Imageを同時取得するT2prepを併用したFRACTUREの紹介をさせて頂きます。
はじめに
Multi-echo FFE法にて得られた各エコー画像を合算・白黒反転することでBone Imageを取得するFRACTUREは、装置による制限がほとんど無いため多くの施設で臨床活用されています。
このFRACTUREを脊椎領域で使用する場合、骨と脳脊髄液のコントラストを向上させるためにFlip Angleを4~6°程度と低く設定して撮像を行います(Fig.1)。このときに白黒反転を行う前の元画像で脳脊髄液が高信号となるため、神経評価も可能になるのでは?と考えました。

パラメータ設定
FAを低く設定するだけでは、神経評価を可能とするほどの脳脊髄液と神経間のコントラストは生じませんでした。そこでFFE法からセグメンテーション化させたTFE法に変更し、先行パルスであるT2prepを印加することで、T2値が比較的短い神経の信号が抑制され、コントラストを強調することが可能となりました。
この手法をMETA-FRACTURE(Multi Echo TFE with T2prep and lowFA provides resembling a CT unite MRA and Nerve)と名付けました。
撮像パラメータをFig.2に示します(Gyro Cupでの発表時とはパラメータが多少異なります)。設定のポイントは2つあります。

1. T2prepとTFE factor
T2prepの強度を上げるとSNRの低下に加えて、筋肉と骨のコントラストが低下してしまうため、弱め(echo time:30~50ms程度)に設定を行います。ただ、T2prepを効率的に生かすためTFE factorは50程度に設定します。

2. Shot intervalとTR
T2値の長い脳脊髄液の縦磁化回復のためShot intervalを長めに設定します。また、T2prepにより骨と筋肉のコントラスト低下が生じているためTRを伸ばして対策を行います。しかし、TRを伸ばしすぎるとShot durationが延長してしまい、脳脊髄液の十分な縦磁化回復を促すことができなくなります。
撮像時間を4分程度に抑えるためにTR:20ms / Shot interval:2500ms程度にしています。

臨床画像
Fig.5は、腰椎椎間板ヘルニアの症例です。ヘルニアが硬膜管を圧排している様子がFRACTUREの元画像からも評価可能です。もし手術支援画像を求められた場合でも、元画像で神経を、反転画像で骨を描出することでミスレジストレーションの無い3D画像が作成可能となります。

Fig.6は、頸椎の骨棘による神経根を圧排している症例です。しっかり脳脊髄液の信号が落ちているため、椎体後壁の骨形態も観察しやすくなっています。

Fig.7は、椎間孔外での骨棘が神経根を圧排している症例です。あえてTE:2.3msの画像を除外して加算することでよりT2*WIに近い画像となり、MR Myelography様の画像でも観察可能となります。骨棘の椎間孔外への突出が左L3神経根を圧排している様子が捉えられています。

さいごに
3Dを作成しないのであれば、T2prepの強度を上げて、より脳脊髄液と神経のコントラストを上げる運用や、FAを下げるだけでは脳脊髄液の抑制が不十分と考えるならばT2prepを弱く印加して、より骨形態を評価しやすくする運用等、お好みに合わせてご活用可能です。ぜひMETA-FRACTUREを使ってみてください。
ライター紹介
JR札幌病院の菊田俊(きくた しゅん)と申します。いつもMRIfan.netに学ばせてもらっていたので、執筆の機会を頂けたことに感動しています。これからも患者さんに有益な画像を届けられるよう奮闘していきます。

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