東京警察病院の古河勇樹と申します。昨年に続きましてフィリップス・ジャパン(以下、フィリップス)のブース取材を行ないましたので、最新 MRI 情報をお伝えしたいと思います。
今回、ブース取材にご協力いただいたのはアプリの勝俣さんです。現在は日本だけでなく、アジアを中心に世界をまたにかけてご活躍しているため、久しぶりにお会いしました。今回のフィリップスブースでは新装置が 2 台展示されていました。
昨年の 7 月に RSNA(Radiological Society of North America)に先駆け日本で発表された「Ingenia Prodiva 1.5T CX」、今年 2 月に開催された ECR(European Congress of Radiology)にて発表された「Ingenia Elition 3.0T」の 2 台です。
「Ingenia Elition 3.0T」につきましては、既に高原先生より詳細な速報がございますのでこちらを先にご参照ください。
私からは、技師の観点から「Ingenia Elition 3.0T」の細かい点をご報告させていただきたいと思います。
Ingenia Elition 3.0T
「Ingenia Elition 3.0T」は寝台の設計や仕様は、従来の Ingenia CX と変更がありませんが、マットレスが一新され、寝心地が非常に良くなったとのことです。実際に触ってみると、身体にフィットするので包み込まれる感じがします。長時間の検査や脊椎疾患がある患者などには有効かもしれません。本体には、両脇にディスプレイが設置され、事前に登録が完了していれば、
患者情報や ExamCard の確認ができ、撮像時間や設定上の体位変更ができるそうです。また、このディスプレイは心電図や呼吸センサーのバイタルスクリーンも兼ねており従来の Ingenia では別途購入が必要であったモニター(現在は販売終了)も必要がありません。
Ingenia Elition は撮像時間が 50%短縮できることを特徴として挙げています。それに貢献しているものの1つとして「Quick Start」が紹介されていました。
検査室のドアを閉じた瞬間に Survey が開始され、席に座る前に完了し、直ちにプランニングに移ることで、待ち時間の短縮につながるというものでした。「Smart Survey」と呼ばれる Auto Planning Survey にも対応しているそうです。迅速な Survey を実現したのは、従来法は「coil Survey →SENSE Reference → Survey」とすることで最初のゲインなどを調節していますが、この装置では規定値をもたすことで、「Survey」のみで開始することを達成したとのことです。
Ingenia Prodiva 1.5T CX
昨年の 7 月に発表されているために、他の学会や勉強会などで既に知っている方も多いと思います。コイルの軽量化や接続機構が見直され非常に取り回しやすい設計となっています。特に Ingenia では度々、使いづらいと話題になるアダプターも以下の画像のように挿入したままで検査できるなど改善が目立ちます。また、設置必要面積が 25m2というコンパクトな本体と軽量マグネットにより設置場所の制限が緩和されること、患者寝台が 47cm まで下降することなど、日本向けの装置と言えるかと思います。
Release 5.4
今年の秋ごろを目標として Release 5.4 ( R5.4 )が登場するとのことです。そこで待望の Compressed SENSE と APT imaging が一般に市販されます。(2018 年 4 月現在 Compressed SENSE は一部、協力サイトのみ運用)Compressed SENSE は EPI や Radial など適用できないシーケンスはあるものの2D、3D 問わないこと、全ての部位に適用可能とのことで、応用範囲が広く全体の検査時間短縮の効果は非常に大きいと思います。(販売は部位ごと)
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