フェリセルツ・ボースデル物語(前編)

昨日は、聖マリアンナ医大の元技師長、吉川達生さんが来てくれました。
吉川さんは、フェリセルツに関する仕事を一緒にしてくれた方です。

MRI用の経口造影剤「フェリセルツ」は、1993年に白くなる造影剤(陽性造影剤)として開発されました。フェリセルツは水に溶いて投与しますが、水の量を減らして濃くすれば、黒くなる造影剤(陰性造影剤)として使えるのではないか、というアイデアを考えました。

実際に、水の量を1/6以下にすると(6倍濃くすると)水信号を黒くできることが確認されました。私は1995年に2本の論文を発表し、これによりMRCPで問題になっていた消化管の重なりが解消されます。その後、フェリセルツの使用量は急速に増えていきました。

この基礎実験を担当してくれたのが吉川さんでした。吉川さんは、最初の論文の2nd authorで、吉川さんが手にしているのは、そのときの論文です。久しぶりにお目にかかり、当時の話をしながら、なつかしい時間を過ごしました。

長い時間が経ってから、こうして当時の仕事の話ができたことを、ありがたく思いました。

その後、フェリセルツは「両性造影剤」としての認識がなされ、高橋光幸さんなどがきれいな実験をしてくれました。また、大塚製薬の山下謙三さん、高橋茂雄さんの尽力もあり、販売が伸びていきました。その後、ボースデルの開発へと続いていきます(後編へ)

日磁医誌 総説「飲用鉄剤をいかに用いるか」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

tarorin東海大学工学部 医用生体工学科 教授

投稿者プロフィール

MRIの撮像・フィルム焼き・患者導入に従事していた経験を活かし、企・技・医の中間の立ち位置を大切にしています。モットーは研究結果を中立的に判断すること、皆で研究成果を愉しむことです。

この著者の最新の記事

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

MRIfan.netからのメルマガを受け取る!

※以下ドメインメールアドレスはプロバイダのフィルタが厳しく、到達率が低下しております。
確実なメール受信の為に、GmailもしくはYahooアドレスでの登録を推奨しております。

@icloud.com @me.com @mac.com @hotmail.com

*メールアドレス
*お名前(姓)
*種別

おすすめ記事

  1. DWIBSの撮像プロトコールについて、どこにあるかわかりにくいので、このページにまとめてリンクを記載…
  2.  皆さんこんにちは。MRIfan.netの編集委員を務めております市立角館総合病院の千葉と申します…
  3. MRCPの役割の一つとして「胆嚢管の描出」は非常に重要です。今回の記事では、この点に絞ってお話しし…
  4. この記事をお読みいただいている皆さんは、病気で診察を受けたり、入院したことありませんか? 『〇〇科…
  5. <新企画>「撮像のワンポイントアドバイス」 ★~★★★までの難易度を設定し、MRIにおける基…

プレスリリース

登録されているプレスリリースはございません。

Facebookもチェック!

話題をチェック!

  1. 2019-1-12

    ペースメーカ本体(ジェネレーター)の型番だけで、MRIの安全性を判断しないでください!!

    心臓ペースメーカの構造って? 一口に心臓ペースメーカといっても、下図に示すようにペースメーカ本体(…

年別アーカイブ

ページ上部へ戻る