ISMRM2015 Philipsランチョン

Philipsのランチョンでは2つの話がありました。ひとつめは小児病院の先生による講演。
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シンシナティ小児病院の発表でした。文字スライドが多かったのと、最後寝てしまったのでスライドがないのですが、聞いていた人に教えていただいたところ(ありがとうございます!)、非常に面白い発表をしていたとのこと。

それは、T1WIとT2WIの共通の成分(たとえば高周波数成分)に注目して、たとえばT1WIを撮影したなら、次のT2WIの撮影を短時間で撮影できる、という工夫とのことです。SyMRI(Synthetic MRI; GEではMAGiC)では、こういったことができるのですが、最初に6分間のフルスキャンが必要です。小児の場合には、途中で動いてしまうこともあるので、長いひとつのスキャンよりも、小分けにできているほうがスキャンの成功率があがりますね。だから最初にT1WIを撮影し、そのprevious knowledgeを利用して次のT2WIのスキャンを短くするという方法は、なるほどepoc makingです。

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次は、テキサスのサザンウエスタン・メディカルセンターの先生によるBody MRIの講演。こちらは写真を撮影してあります。
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まず最初に紹介されたのは、MultivaneのXD版です。Multivane(マルチベーン)は、PROPELLERですね。XDというのは、”Extended”のことです。

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上記のスライドで示されているのは、Navigatorでうまく制御できないような場合(動体ファントムでの実験)でも、Multivalne XDをベローズによる通常のRTで撮影すると非常にキレイに冊出来るというものです。BLADEのなかを自由にsegmentationできるのが、Multivane XDの特長とのことです。

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次にmDIXON XDのことです。いままででもmDIXONは、エコーの値を自由に選べるなど、自由度の広さに特長がありましたが、今回のextended (XD)版では更に改良がなされているそうです。下のスライドにそのキモがあります。Selective RF pulseなどを用いると一般に印加時間が長くなります。このためshortest TEとして2.2ms(@3T)を使用できなくなりますが、XDでは”Minimal Phase Pulse”を採用することにより、RFの後半を省略し、印加時間を短縮、これにより2.2msからのacquisitionができるため、SNRの向上やスライス枚数の増加が可能になったとのことです。

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次はENCASE(エンケース)です。これは非常に面白い工夫です。

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上記:通常は冠状段撮影する場合、スライス方向に選択励起をおこないますが、これをこの図でphase 方向(左右方向)に適用します。ただしRFは通常の波形だと、周囲が鈍って励起されるので、RFの形を見なおして(長いRFを使って)シャープな波形の励起を行います(右)。こうすると、例えば上腕部のような側方構造物が励起されないので、折り返しを生じません。これがENCASEです。これにより左右方向のFOVを、No phase wrapを使わないで真の意味で小さくできますから、phase encodeの数の調整(小さくできるので撮影時間が短く出来る)などがしやすくなるのですね。
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後述のmDIXON XD(周辺部の脂肪抑制効果が向上する)と合わせ、辺縁部の画質が向上し、かつ、スライス方向(AP方向)の分解能も向上するというメリットがあります。

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そうすると、ご覧のように(↑)、MRAのMIP回転画像からもわかるとおり、スライス方向の分解能がよくなります。

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上記のスライドでは、冠状段撮影の矢状断再構成と軸位断再構成が表示されていますが、これが高分解能であることが分かります。また右では、緑枠の部分で示すように、mDXIONとしてCOR撮影のみである(他は再構成する)ので撮影時間が短くなる様子が示されています。
スクリーンショット 2015-06-05 23.10.03↑ mDIXON再掲。7 peak fat model (「P2」で示されている普通のCH2ピークのほかに、小さな脂肪ピークも考慮する)を用いていること、またechoが小さくなっていること、b0不均一の影響も考慮していること、などから、繋ぎ目の部分の脂肪抑制効果が向上している事がわかります。またスライドではわかりにくいのですが、脂肪の抑制効果(黒さ)自体も向上しているようです。

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そのほかには、上記スライドで示すように、SiemensのTWIST-VIBEのようなスキャンができるようになるという発表がありました。これは、20秒間のスキャンに対し、最初の12秒〜18秒きちんと息どめをしたときの画像で、止められた秒数に応じて画質を向上させることができる、というプレゼンです。

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↑また、造影剤到達時刻に合わせて画像を作成できるということも示されていました。

↓そのほか、ブースには、SyMRIがフィリップスコンソール上で動いているデモが示されていました。

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↓ SyMRI社の CTO、CEOさんと記念撮影。勉強のため、一度Swedenに行ってこようかと思っています。スクリーンショット 2015-06-05 23.11.43以上、フィリップスのランチタイムシンポジウムの紹介でした。いま、帰国便に登場しましたので、シーメンスとGEのご報告は、帰国後になることをどうぞご容赦ください。

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tarorin

tarorin東海大学工学部 医用生体工学科 教授

投稿者プロフィール

MRIの撮像・フィルム焼き・患者導入に従事していた経験を活かし、企・技・医の中間の立ち位置を大切にしています。モットーは研究結果を中立的に判断すること、皆で研究成果を愉しむことです。

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