Motion Correctionについて
今回24thISMRMでは補正関係の内容が多く感じました。その中でも注目する内容として、動きの影響を補正しArtifactを減少させるMotion Correctionに注目して記載させていただきます。
通常、Motion Correctionと言うと呼吸同期や心電図同期を連想される方が多いと思われます。しかし最新の技術では心拍動や呼吸の同期を行わずに心大血管や腹部の撮像を行うことが可能となってきています。その原理はいくつかありますが、eXtra-Dimensional Golden-angle RAdial Sparse Parallel imaging (XD-GRASP)について記載させていただきます。
eXtra-Dimensional Golden-angle RAdial Sparse Parallel imaging (XD-GRASP)とは
XD-GRASPで用いているRadial k-space dataは連続的なGolden-angle samplingで、呼吸や心拍動の連続した動きを得られたdataから直接導き出し分類することが出来ます。このdataは時間軸方向のunder-sampled multidimensional datasetであり、疎らなdataを再構成する圧縮センシングにて再構成されます(1)。
XD-GRASPは時間軸方向に圧縮センシングを用いて再構成することから、息止めなしで動態観察が可能な3D hepatic dynamic imageや3D whole heart coronary (5D XD-GRASP)の検討がされていました(2)。(図は、末尾に示す抄録を御覧ください)
この検討からも判るように、自由呼吸下の一回撮像で動きの影響がない画像が再構成出来るだけでなく、あらゆる時間軸方向の画像を抽出できるようです。そのため心臓などでは冠動脈や壁運動の画像が一度に得られ検査時間短縮や、上腹部の造影dynamic撮像では高時間分解能や高分解能にTrade-off可能なことから画質向上に期待できます。
来年のISMRMでは5D imageの精度や定量評価、さらにはflow imagingなどにも広く応用される技術だと思われ更に注目していきたいと思います。
(1) Feng, Li, et al. MMR 2016; 75: 775-788.
(2) 24th ISMRM program no; 0456, 0619, 2682.
Author: 吉田学誉(東京警察病院)
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