▶前立腺MRIのシンポジューム
前立腺の撮影ではPI-RADS ver2(Multi parametric MRI:MP MRI+読影方法)の情報を頭において、聴講してきました。防衛医大の新本先生から短縮MRI(Abbreviated MRI:AB MRI) T2とDWIのみでスクリーニングをする話がありました。個人的に生検前であれば、DWIは前立腺がんの描出に極めて可能性があると思うので、そういう考え方もあるのか?とすごく興奮しました。獨協医大の楫先生からは、初回はMPを撮影する必要があるとコメントしており、非常に面白く感じました。熊本中央病院の片平先生は、生検をするのに拡散強調画像を地図にするのは有用であるということでした。神戸大の高橋先生からは、造影MRI(dynamic MRI)の評価が落ちているという話が印象的でした。
▶心臓MRIのシンポジューム
東京警察病院の吉田先生からは、不整脈の時は位相方向を変えてみる、TIを40ms延長してみると良いということでした。虎の門病院の福澤先生は、3Tの心臓の検査において、心軸の角度と一致して心電同期をするとT波が大きくなりGateしずらくなるということでした。3Tの冠動脈ではb-FFEは磁化率アーチファクトが目立って厳しいということでした。
▶synthetic MRIのシンポジュームやcomputed DWI(広義ではsynthetic MRI)、MR Finger printing、圧縮センシング
Synthetic MRI
実データからT1, T2、PDなどを求め、計算で画像を作る技術。MRFは、辞書機能と高速撮影技術(2D-Spiral シーケンス:コヒーレント/インコヒーレントシーケンス)を使って、T1画像、T2画像を高速に計測する技術です。
MR FIngerprinting
筑波大学の寺田先生の教育講演は勉強になりました。MRFは別として、今後、臨床にルーチン検査に入ってくるので、どうやって応用されるのか?どのように実際に使うのか?非常に興味があります。
Copmuted DWI
aDWIのデータによってどの程度影響が出るのか?(TEの長短、加算回数)調べてみたいと思いました。=高原先生談 別のセッションで質問にもあったのですが、高輝度ノイズの要因をリサーチし、改善した方法もあり興味を持ちました。圧縮センシングとパラレルイメージングを使った技術では、多時相のDynamic MRIは造影剤を確かに使うが、CTよりも詳細な血行動態、血管の形態観察が可能で、今後再び造影MRI, MRAが脚光を浴びる可能性があると思いました。ガドビストは緩和能が通常の造影剤よりも高いことが知られており、造影MRAや心臓のLGEで有用であるという報告があった。当院でもガドビストを使っているので、是非印象でも良いので体感したいと思いました。
▶DWIBSのポスター発表
従来のEPIを使わない、TSEを使ったDWIBSは非常に興味深いものでした。Direct冠状断の試みが多く見られました。SENSEを用いない方法やFocusを使ったものがありました。いずれも実際にコンソールで見てみたい画像でした。
▶拡散強調画像の計算方法
通常はMagnitude画像にして加算するMagnitude Averagingという方法を使っています。でもこれでは加算回数を増加させてもノイズを減らすことはできない。最新の技術ではComplex averaging法といって、K-space上で加算できる方法の紹介があり大変勉強になった。すべてのDWIでこの計算方法が応用されれば現在の画像が格段とよくなる可能性があると思いました。
▶ポスターでMUSE:multiplexed sensitivity-encoding
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/・・・/PMC36・・・/pdf/nihms440026.pdf というMulti shot EPIのDWIの画像を見ました。位相エラーが生じた各shot画像から補正する計算方法を作り、K-空間に戻し画像を再構成する方法でした。極めて高分解能に撮影できており(頭部)、躯幹部に応用すると前立腺も綺麗に撮影できる時代がすぐそこに来るのではと思いました。
今回も非常に多くのことを学びました。来年も何か課題を持って参加したいと思います。
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