シーメンスは2つの大きなニュースがありました。一つ目はこれです。昨年のJSMRM(日本磁気共鳴医学会)のシンポジウムで講演したこの方を覚えていますか?
そうなんです。マーケティングの松本さん(左)、執行役員の内藤さん(右)の間にいる長身の男性は、Marcel Warntjsさん。なんと、
シーメンスはSyMRIを採用
することになったのです。3週間前に契約が成立したばかりとのことで、大きな学会ではこの北米放射線学会でのお披露目が初めてとなりました。JSMRMシンポでの議論の様子(MR Fingerprintingは、原理はスゴイが3年は来ない等)が、この経営判断にインパクトを与えたそうで、うれしいじゃないですか〜。
このようにSyngo.via(シーメンスのWS)でSyMRIのロゴがでていますね。
使っている人にはすでにおなじみの、あの、自在にTR/TE/TIなどを変更できる画面。
シーメンスの機関紙「MAGNETOM Flash」66号にもこのように掲載されています(表紙掲載にもなっています!)。SyMRIのウリのひとつは、ミエリン定量ができることなのですが、正式名称が決まったようで、REMyDI(レミディ)となったのです。これは、お薬を意味する「レメディ Remedy」のもじりですね。このことが掲載されています。
8月にSwedenのSyMRI本社を訪れたときに、ちょうどこのことをスタッフが話し合っていて、候補の一つにはOMG!というのがありました。OMGってOh My Godの意味ですよ。MがMyelinだったんです。他が何を意味するのか忘れちゃった笑 このほうがインパクトありましたね (^^;
Siemensの井村さんに聞いたところ、まだHot過ぎて、Siemens用の撮像シークエンスそのものはこれから調整させるんだそうです。でもすぐに搭載されるようですよ。
Compressed Sensingがすぐに手元に
Siemensでは、過去以下のようにいろいろな技術を実用化してきました。昨年は同時多段面励起(SMS)(右下)でしたね。
今年のニュースはCompressed Sensing (CS)が実際に搭載されることです。E11Cに載ると聞きました。来年すぐにということのようです。これは興奮します。
↓城戸倫之先生(愛媛大学)が松山済生会病院でされた研究が紹介されていました。Cine MRIを圧倒的に高速化できます。条件にもよるけれど、4m30sのものが、0m18sぐらいにできるんだそうです。つまり息どめになるのですね。
この研究は、Journal of Cardiovascular Magnetic Resonance誌で、年間のMost Exciting Paperに選ばれたみたいですよ。スゴイですね!
Siemensの今年のスローガンや目標 –
SIEMENS healthineers
まずこれを見てください。ロゴが SIEMENS Healthneersとなっていますね。ヘルシニアーってなんだろう?となりますが、これは健康を意味するヘルスと、開拓者を意味するPioneer(パイオニア、英語ではeeにアクセントですね。パイオニーア〜)をかけ合わせた言葉なんですって。
Outcomes and Costs
あと、どの装置にも先頭に出ているスライドがこれ。これは、より良い成果を、よし少ないコストで、というスローガン。今年はこれを意識したモデルが発表されていました。
導入コストが低いMRI
これは新しく発表された Magnetom Sempra(センプラ)。今まで存在していたEssenza(エセンザ)の後継機種です。ショートガントリ設計ではなくて、なんと170cm。ボアは60cmです。でもコストが安いんだそうです。そして、アプリはAera(アエラ)のものが全部乗っているんだそうです。画質は犠牲になっていないので、これはアリかもしれませんね。
Total Tumor Load
あと個人的にどうしても見たかったのが、2回のDWI検査の結果を定量化して比較できる Total Tumor Load。これはまだSyngo.via.Frontier(最後のフロンティアは、まだ臨床に供されていないことを示す=画像の上の方に赤い帯が示されているのがそれを明示している)なので、売られてはいないのですが、DWIが定量化できたらものすごいインパクトですから注目しています。これはPadhani先生が主導してやっています。
蓋を開けてみると、Segmentationは、通常の閾値(Window)の他には、こんなふうな原始的なCutなので、
かなりしょぼい(実際にはまだ大変そう)のですが、しか〜し。
とりあえず努力をして上のようになるなら、強烈ですよね。これは、左が治療前、右が治療後です。ADCが1.5 x 10^-3(mm^2/s)のところが緑に、0.7以下が赤に表示されているので、右側において良くなっているのがひと目でわかります。また、total (diffusion) tumor volumeも計測できるんです。これは臨床の先生がもらったら本当に喜びそう。もちろん患者さんに大きな福音となります。
実際にいろいろな画像を見ている者としては、頚部が含まれていないプレゼンだったり、Windowの調整具合に余地がありそうで、まだデモデータな感じは強いのですが、それでもこの結果を示すことはすごく重要だと感じます。来年にはとうとうWB-DWIの定量化元年になると思います。
なお、もう一つ重要なこと・・・これはE11Aに実装されているそうなのですがみんな知っていました? WB-DWI用のNormalize機能があるようなんです。これは、表面コイルの感度(深部)補正ではなくて、Station間の調整のようなんです。帰国したらチェックしますが、みんなもしてみてください。
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