今年もITEMに行ってきました。開催も終盤での報告ですが、ぜひお読みください。
2018年1月からキヤノンメディカルとして本格始動しました。ブース名もCanon、ブース内も赤を基調とした作りで出迎えてくれます。
今年の話題は何でしょうか?
Vantage Orian 1.5T (ヴァンテージ オライアン)
このITEM後から発売が開始される、1.5T MRI装置<Vantage Orian>が展示の中心です。
主な特徴は、MRIオペレータへの扱いやすさ、画像、採算性です。
*使いやすさ
今までと違う大きな特徴は、着脱可能型移動式寝台の採用です。キヤノン装置では初めてのことであり、介助が必要な被験者の載せ替えをMRI室外で行えるため、MRI室への入室制限もでき吸着事故への防止が期待できる。さらにスムーズに被験者の入れ替えができることから、ワークフローの改善が可能である。脱着してみたかったが展示商品のため残念ながら不可能であった。
また、ガントリー上部にモニターを配置し、患者名、寝台、コイル位置などを表示できる。セッティング中に患者屋さんに話しかけようと○○さんというべき○○をド忘れしたときに表示されてれば、そのまま名前を呼べるので私的にはヒットでした。
*画質
まずは新しいGradient波形の進化である。従来のように波形が劣化することなく、高精度デジタル制御技術を搭載したことにより、理想的な波形を生成できEPIのように高速スイッチング撮像時の画質向上が期待できる。
また本機からMulti Band SPEEDERの使用が可能となり撮像時間の短縮化が可能である。
さらに腹部のT1強調画像を撮像する際に息止め不良の場合には診断不良な画像となるがQuikc Starを使用することで非同期にて, きれいな画像を得ることができるようになる。
また、ForeSee Viewという撮影補助機能が搭載されていた。靭帯に合わせたプランニングをする際にMPRでその画像をリアルタイム表示してくれる。
5分で撮像したMP2EAGEとFSE multi-echoをVitreaにあるOlea Novaを用いて様々なコントラストを得ることができる。およそ5分の撮像で9種類のコントラストが作成できるので、緊急性の高いもの、動いてしまう場合など、その用途は多岐にわたるとおもう。全身どこの部位にも適応可能で、3D収集のため各コントラスト収集後でも多方向MPRを作成できるのは使い勝手が良い。
ELANにも搭載されている静穏機能<Pianissimo ZEN>も標準装備であり、普通に撮像していても静音機能は働いており、被験者の不快軽減効果は高い。
採算性を考えたうえで重要なのは、損益分岐件数を下回らないように日々の検査数を確保することに加え、ランニングコストを抑えることも重要なファクタである。
それを実現すべくEco Mode Plusを搭載した。これは夜間など長いこと使用しない時間帯は夜間の冷凍機を間欠運転し、検査間のスタンバイ中は電力を低減させることで消費電力は従来の21%減となる。かなりの費用逓減となる。
また、設置面積がさらに小さくなり10畳の部屋に入るサイズとなった。
キヤノンでは次世代高速イメージングとしてCS(Compressed sensing),DLR(Deep Learning Reconstraction)と開発中で非常にきれいな画像も見せてくれた。まだまだ進化するキヤノンメディカルに今後も期待してみたい。
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