MR学会 注目一般演題

編集委員が見た、興味深い演題をここに紹介します!
だんだんと書いていきますので、再読み込みをして御覧ください!

 

演題番号 O-036
タイトル: Generative Adversarial Networkを用いた合成FLAIR画像の生成

コメント: GAN(Generative Adversarial Network)とは生成モデル型の機械学習の手法で、2つのニューラルネットワークを互いに競わせて入力データの学習を深めていくことで、新たな疑似データを作成することができます。シマの画像をシマウマにしたり、男性の顔を女性の顔に変えたり、昔のモノクロ写真や動画をカラーにする、などの応用例を皆さんも見たことはありませんでしょうか? この研究は、なんとT1強調像とT2強調像でFLAIR画像を作ってしまうというものです。確かにFLAIR画像はT2強調像から水成分を差分したものですし、T1強調像で水は低信号になりますから、理屈的に頭の中では可能そうな気がします(もっとも機械学習で、そんなことは全く考慮しないと思いますが)。スライド内の実際の画像を見せていただきましたが、GANで生成されたFLAIR画像は、実際のものと遜色ありません(ぜひスライドをご覧ください)。高周波成分がボケるという唯一の欠点は、LoG(Laplacian and Gaussian filter)というフィルタ処理で解決、とても素晴らしいです。もしかするとFLAIR以外の画像も作れないでしょうか?(PDIとかDIRとか)

(石森)

 

演題番号 O-051
タイトル:Multi shot GRE-EPIを用いた超高速T2*WIの有用性

コメント:救急における頭部撮影の際、T2*WIは微小出血やsusceptibility vessel sign(SVS)を視覚化できる有用な撮影法です。しかしScan時間は長く、救急現場でデメリットとなります。この研究では、EPI-GRE T2*WIをMulti-shotにすることで、T2*WIを8秒で撮影可能としています。EPI-GRE T2*WIの微小出血やSVSの描出は、GRE T2*WIと同等の精度です。素晴らしいです。すぐにでも活用したいですね。

(山崎)

 

演題番号 O-047
タイトル:臨床脳画像の超解像におけるdeep learningの不安定性

コメント:低解像度のMRI画像を高解像度にしてくれる方法があったら…!これを使わない手はないですよね。しかしこのような方法は、画像再構成に必要な全てのデータを収集しているのではなく、ある意味「作り出している」画像になってしまうわけですから、盲目的に使って良いとも思えません。この研究では、Deep Learningを用いて低解像度の画像から高解像度の画像にした際の、画像の見え方の違いについて検討しています。着目したのは「小さな病変」についてです。

低解像度の画像は高解像度の画像から計算で作ることができますが、こちらの研究では実機で撮像した低解像度の画像を用いているので、より実臨床に近い検討になっているのがポイントです。GANの有無とk-spaceをネットワークに組み込んだ場合の3つの手法を比較しています。病変の消失や、偽病変の描出、コントラストの違いなど、それぞれ見え方が異なっていますので、ぜひ直接発表スライドの画像をご覧ください。最近ではDeep Leaningを利用することで画質向上ができる装置も発売されてきています。臨床現場に導入された際には、目的に合わせてDeep Leaningの機能を使い分ける工夫が必要になるかもしれませんね。

(Mariko)

 

演題番号 O-098
タイトル:男性型脱毛症(AGA)に対する頭皮、毛髪のMRI:新たな薄毛の診断、客観的評価方法の提案

コメント:本報告はAGA評価のためにMRH(hair and scalp)と呼ばれる超高分解能の頭皮画像を紹介しています。百聞は一見にしかずです、まずは演題を見てください。
正常の頭皮とAGAの頭皮の脂肪層、毛根層は明らかに違いがあります。今回研究されたMRHは今後のAGAの診断方法や治療効果判定方法に影響を及ぼすと思われます。

(北川)

 

演題番号 O-023
タイトル:RF発熱による高頻度事故例の電磁界シミュレーション解析

コメント:RF熱傷は、肘とボアが接触していてもおきます。でも、メカニズムがよくわかっていませんでした。

この演題では、わかりやすく解析しています骨盤撮像時に肘の場所を注意しないと、著しくSARが上昇していました。

びっくりでした。

(oct)

 

[さらに続きます]
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tarorin

tarorin東海大学工学部 医用生体工学科 教授

投稿者プロフィール

MRIの撮像・フィルム焼き・患者導入に従事していた経験を活かし、企・技・医の中間の立ち位置を大切にしています。モットーは研究結果を中立的に判断すること、皆で研究成果を愉しむことです。

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