第13回Signa甲子園2017レポート

2017年12月9日(土)に開催された第13回Signa甲子園の模様をレポートします。

今年のSigna甲子園は大阪 千里ライフサイエンスセンターで開催されました。15時から19時までの長丁場でしたが、その長さを感じさせないほど創意工夫の詰まった、引き込まれるような演題ばかりで会場はすごい熱気でした。会場は150名程が着席できる広い会場でしたが、その会場が満員になるほどの集客でした(図1)。

図1 開催会場風景

例年通り、実行委員長(今回は大阪医科大学付属病院山村様)の「プレイボール」というコールで始まり、発表者はバッティングのポーズを全員でとりました(図2)。

図2 プレイボールの様子

多くの参加者から聞こえてきたのは「今年の演題はレベルが高い!!」という声でした。今回のレポートでは全ての演題をご紹介する事はできませんが、受賞演題を少し紹介していきたいと思います。

金賞は誰の手に!?

まずは金賞を獲得されました山口UM 徳山中央病院の岡本淳様の演題です。タイトルは「EC-MRA ~非造影息止め肺血管描出の試み~」です。タイトルからもわかるように非造影で、しかも息止め20秒で肺血管を本当にきれいに撮像されていました。画像をお見せできないのが非常に残念です。この撮像シーケンスはなんとTRICKSです。通常造影MR-DSAに使用するシーケンスを非造影で使用するという奇抜なアイデアです。どこからこんなアイデアが浮かぶのかと演題を聞いていると、後輩の練習でTRICKSを撮像したら肺血管がきれいに見えていたという、ある意味アクシデントから生まれた素晴らしい演題でした。是非ともMRIfan.netにも詳しい内容を投稿していただきたいと思いました。受賞した時の岡本様です(図3)。

図3 金賞受賞風景

本当にうれしそうな素晴らしい笑顔です。Signa甲子園で金賞を受賞することが出来る素晴らしさを感じることが出来る一瞬でした。岡本様、本当におめでとうございました。

銀賞受賞者

次は銀賞を獲得した神奈川UM 新百合ヶ丘総合病院の堀大樹です。はい。僭越ながらこれは私です。タイトルは「Flow imaging with IFIR」です。この演題はInflow Inversion Recovery(IFIR)という撮像シーケンスを使用し、Inversion Time(TI)を変化させて数Phase撮像することによって、脳脊髄液の流れや、血液の流れを見ようと試みた演題です。これは皆さまよくご存じのTime-Slipを模擬した撮像シーケンスです。この演題のアピールポイントは血管のFlowを様々な角度から観察することが出来る。つまり4D-Flow imageが得られるという点です。こちらも今後MRIfan.netにアップする予定ですのでご期待ください。受賞時の写真ですが、明らかに悔しそうな表情ですね(図4)。

図4 銀賞受賞風景

銀賞というありがたい賞を頂いたことは非常に嬉しかったのですが、やはり金と銀では大きな違いがあることを実感しました。また来年リベンジして、次こそは金賞を取りたいものです・・・。

銅賞獲得演題もすごかった!

銅賞を獲得した京滋UM 公立甲賀病院の中村智洋様です。タイトルは「MRCP with C」です。このタイトル、皆さまもお気づきですか?「35億」です。しっかりと発表の出だしでやってくれました。会場を盛り上げる工夫も見られるのがこのSigna甲子園の醍醐味の一つでもあります。私の中では中村様の演題が一番よかったと感じました。この撮像は今後3D MRCPのルーチンになるのではないかと思いました。息止めでCUBE(Variable flip angleを使用した3D撮像シーケンス)を撮像し、MRCPを撮像する為、時間短縮、さらには濃縮胆汁も信号落ちせずに撮像できるという素晴らしい撮像法でした。もちろん呼吸同期のMRCPと比較しても分解能など遜色ない画像が得られていることに本当に驚きました。

こちらが受賞写真です(図5)。

図5 銅賞受賞風景

皆さん本当にいい笑顔です。ここまでの努力と苦労がこの素晴らしい笑顔を作っているのだと感じました。

実行委員特別賞もありました

最後に実行委員特別賞を受賞した北海道UM 札幌麻生脳神経外科病院の濵口明巧様です。タイトルは「SWANでneurography」です。脳神経外科病院らしい演題でした。この実行委員特別賞は今回のSigna甲子園実行委員が選ぶ優秀演題に送られる賞なのですが、なんと実行委員全員一致で濵口様の演題が選ばれたそうです。すごいですね。

こちらが受賞時の写真です(図6)。

図6 実行委員特別賞受賞風景

雰囲気がスティーブジョブズのようでかっこいいです。

各UM予選会、そしてブロック選考会を勝ち抜きSigna甲子園本戦に進出できた12演題ですが、今回は驚く事に全演題がTED方式で発表されていました。まさに全員ジョブズでした!誰一人として壇上で原稿を読まず、身振り手振りを交えながら、また笑いを交えながらの発表で、発表者皆さまのプレゼン力の高さに圧倒されました。

他にもイベントが盛りだくさん

またこのSigna甲子園は演題発表だけではありません。SIGNA Master選手権という、全員参加のクイズも用意され、最後まで残ったMaster数名には豪華景品が用意されていました(図7)。

図7 SIGNA Master選手権の様子

そのクイズがまた難しい。例えば「GE MRIが発売された1983年に発売された商品は何か?」A:ファミリーコンピューター B:アップルコンピュータ―

当時3歳の私にはもはや勘でしかわからない問題ですが、昔からMRIに携わっている重鎮たちはどうやら知っていたようです。驚きです。このような難しいクイズに正解したMasterの皆さまです(図8)。

図8 Masterの皆さま

限定マウスパッドの獲得おめでとうございました。

終了後は恒例の懇親会がありました。お酒も入り多くの方と知り合うことができ、受賞の難しさを実感することができた大収穫の1日を過ごすことができました。懇親会で北九州UMの加藤様がコメントしていたのですが、次回のSigna甲子園は本当に北九州で開催されるのでしょうか?これだけは謎のまま終わりましたが、次回は金賞を取れるように再出発を心に決めて神奈川へ帰りました。

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Hori Hiroki

Hori Hiroki新百合ヶ丘総合病院 診療放射線科

投稿者プロフィール

MR guided Focus Ultrasound(FUS)というMRIガイド下で行われる治療に関する研究を特に行っています。
「FUSと言えば堀」、「堀と言えばFUS」と呼ばれる男になれるように日々精進しています。

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