おもちゃのMRIを知っていますか?

おもちゃのMRIを知っていますか?

MRIは私にとって、人生の一部であり、なくてはならない存在です。きっとここの読者の皆さんもそうだと思います。そんなMRIがもっと身近にあったらなぁ、子供に自分の仕事をおもちゃで伝えられたら素敵だなぁなんて日々思っていました。

そんなある日、ついにおもちゃのMRIに出会うことができました!しかもかなり精巧に作られたおもちゃのMRIに!SNSとインターネットを通じて見つけることができた素敵なMRIの作られた背景や目的と、実際に私が発見し購入して、作り上げるまでを紹介したいと思います。

SNSでの一目惚れから即買い…が

どうしてこのおもちゃのMRIを知ったのかと申しますと、私がなかなか普段会えない友人との交流にFacebookなどのSNSを利用していることがきっかけでした。とある日、後輩のFacebookにこれに関するの記事が載っていて、とてもびっくりしたと同時に一目惚れ。何せネーミングが最高です、「I❤MRI」ですからね。

そのHPをざっと読んで、「この製品は、病院関係者で医療従事者が利用できるMRIセットです。」と記載されていたのを確認し、購入サイトに進み購入手続き完了!というわけです。でも、何事も慌ててはいけませんね。この後すんなり購入とは行きませんでした…。

購入手続き後にもう一度ゆっくりHPを見てみると、この1行の次に「このMRIセットは教育目的で、子供がMRIを受けるときにより快適に感じることができるために」とあったのです。もしかすると…これは販売側と意図が異なるなぁ…と思ったのですが最後の行に、「このセットは再販売されることはないだろう。」とあり、やはりどうしても欲しいという思いが強くなりました。

時差の関係からか、この会社からまだ返信メールが無かったので、記載されてあった連絡先に正直にメールをしてみました。

  1. 私は診療放射線技師で、東京大学医学部附属病院で働いている医療従事者である。
  2. 購入依頼をしたが、自分の子供に自分の仕事の一部としてMRIを教えたくて購入した。
  3. 本来の目的と異なってしまうかもしれないけど、買ってもいいだろうか?ダメな場合は購入をキャンセルさせて欲しい。

と。

翌日、返信がきました。しかもCEOから!答えはすぐにわかりました…「Dear Yuichi, No problem!」その後も、購入に関して何度かやりとりをしたのですが、なぜか全てCEOが対応してくれました(笑)。英語が上手ではない私に対してすごく親切に対応してくれて、こういう優しい人が作っているんだなぁと心がほっこりもしました。というわけで全ての手続きを終えてから、商品が到着するまで約1週間、わくわくして過ごしました。

どんなMRIかと申しますと…

ちゃんと超電導型ですが、もちろん磁場は発生しません(おもちゃなので当たり前ですね)。それは、レンガのおもちゃを組み合わせて作ります。でもかなり精巧に作られています。みなさんも一度は触れたことがあるおもちゃではないでしょうか?もうお分かりいただいている方もいるかもしれませんが、子供のおもちゃで有名なLEGOブロックの一種です。なぜ一種かというと、公式なLEGO製品ではなく、LEGO公認の専門家であるDirk Denoyelleさんによる製品だからです。詳細は、Dirkさんの会社のHP(http://www.amazings.eu/mri)で見ることができるのですが、かなり簡単にまとめますと、以下のようです。

LEGOに勤めていたとあるお父さんとその子供は、LEGOで遊ぶのが大好きだった。レゴの半円形のパーツからMRIのボアを作れるとお父さんが思い、LEGOを使って最初のMRIモデルを作りました。これは小児病院で役に立つかもしれないと考えて、試作品を再度作成し、SNSを使って、知り合いの放射線科医やDirk Denoyelleさんらと出会い、話し合い、製品化されたというものだそうです。

このHPには、子供へMRIって何かを伝えるページ(For Kids)、子供のご両親へMRI検査に関する説明のページ(For Parents)、このMRI製品完成までのストーリー(The Story)、そして私も実際購入した医療従事者のためのページ(Professionals)があります。結構?かなり?真面目にMRIについて書いてあるので感心してしまいました。ご興味がある方は、是非読んでみてください!

ついに到着!そして作成へ!

入金から約1週間後、Dirkさんの会社のあるルギーからはるばる到着したMRI。さっそく梱包を開けてみると、MRI室で357ピース、MRI単体で122ピースと書いてありました。

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数百ピースならすぐ完成だなと思っていたのですが、説明書を開いた途端に、僕の予想は大間違いだと気づかされました。事細かく作成手順が記載されていて、とてもとてもすぐに完成だなんてあり得ないと分かりました。

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休日の昼下がりに作成し始めたのですが、途中過程を撮影しながらでしたし、久しぶりのLEGOということも手伝って、完成に約3時間を費やしてしまいました(得意な方は1時間程度で出来るかもしれませんが…)。作成中もへぇ~、ほぉ~としきりに感心しながら作成していましたが、完成後に全体像を眺めてみたり、近寄って写真を撮ってみたりすると、本当にすごく精巧につくられているんだなぁと感心するばかりでした。

具体的には、更衣室があったり、ナースコールやヘッドフォンがあったり、ちゃんとヘッドコイルが開閉式で動いたり、パワーインジェクターがあったり、寝台を動かして患者をボアの中に入れられたりと、まさにMRI室そのものと言っても過言ではありません。

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HPにも記載されているのですが、しっかりと子供にMRIを教え、伝えるのだという製作者の方々の熱意を感じました。たかがおもちゃ、されどおもちゃだと正に思ったおもちゃです。これならば、このMRIを通して自分の子供にも、自信をもって自分の仕事を教えられます(まだ子供は4か月なのでまだまだ先ですけど…その日が楽しみです)。

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SNSやインターネット時代だからこそ

最後に、この製品に出会え、そして購入できたのも、このMRIfan.netに投稿させていただける機会をいただけたのも、SNSやインターネットのおかげであることは間違いありません。ECRのblog(http://blog.myesr.org/reducing-kids-mri-anxiety-brick-by-brick/)に掲載されたことで、このMRIを知ることができた後輩。そして、その後輩のFacebookでこのMRIを知ることが出来た自分。そしてFacebookに投稿したことで、この場を借りて今回の内容をお知らせできる機会をいただいたこと、SNSやインターネットの素晴らしさ、そして素敵な仲間に感謝するとともに、このMRIを考案したとある親子と制作に携わった関係者に感謝します。

もし良かったら、みなさんの家にも、病院にもMRI作ってみませんか?

著者紹介

東京大学医学部附属病院 放射線部 鈴木 雄一
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tarorin

tarorin東海大学工学部 医用生体工学科 教授

投稿者プロフィール

MRIの撮像・フィルム焼き・患者導入に従事していた経験を活かし、企・技・医の中間の立ち位置を大切にしています。モットーは研究結果を中立的に判断すること、皆で研究成果を愉しむことです。

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