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入れ歯をはずすことがいつも正義か?
- 2014/11/28
- Any Modality, Other Writers, 創意工夫
- コメント:1件
簡単、どなたでも、どんな装置でも実践できる画質改善方法の紹介です。
撮像領域は頭頸部。見るのも診るのも撮るのも苦手意識を抱く部位ではないでしょうか。そんな気持ちを和らげるテクニックです。皆様の手札に入れて頂ければ幸いです。
さて、当院で用いている安全確認問診表の一部です。
もちろん外来診察室もしくは入院病棟でのチェックはありますが、念には念をMRI検査室入室直前にも問診をとります。問診票には金属類をはずすことを促す項目があります。技師ならば検査手技の口癖となっているかもしれません。また、患者側からすると同じような注意をほとんどの放射線検査で言われるため、慣れた方であれば言わなくても外す方もいらっしゃいます。今回の着目点はそんな金属類の中の「入れ歯」です。
まずは、総入れ歯を“はずして”撮像した舌の画像を御覧ください。
ご覧のとおりモーションアーチファクトが認められます。総入れ歯をはずすとお口がもぐもぐと動いてしまう方がいます。
一方、入れ歯はいろいろ種類がありますが金属を用いていない(樹脂製の)ものもあります。もちろんその場合は、メタルアーチファクトは出現しません。検査準備後、総入れ歯をはずして頂いたようであれば、入れ歯の素材を聴取します(検査室に迎え入れる際に口頭で尋ねます)。この段階で、金属が入っていないタイプをご使用の場合は、確認のうえ、再度装着して頂きます。
入れ歯を“入れて”撮像した画像です。
入れ歯を装着していることで、お口が落ち着き?!見事に静止した画像となりました。また、入れ歯の無信号帯が舌や頬粘膜の辺縁をシャープに描出することにも貢献しています。
ただなんでもはずすのではなく、患者様とコミュニケーションをとり、一言その素材を確認することも大切です。
ちょっとした工夫、ちょっとした発想で、まったく違う画像になる。それがMRIのおもしろさですよね!
ライター紹介
札幌医科大学附属病院 放射線部 長濱 宏史
夏も冬も山で遊んでます。I LOVE Nature, I LOVE 北海道です。
MRIは遊び心、楽しさ、発想を具現化できる素敵なモダリティ。
I LOVE MRIです!
コメント
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コメント (1)
保険で作る入れ歯は樹脂性ですが、補強のために金属が入っている場合もあります。患者さんに聞いてみるのもいいと思います。