- Home
- MRIクイズ (3) ー頭痛とMRA
MRIクイズ (3) ー頭痛とMRA
- 2015/2/2
- Any Modality, MRIクイズ, ミニレクチャー
- コメントを書く
60歳代女性、最近頭全体がズキズキする事ある。
以前同じような症状の時は肩こりが原因と言われた。
クモ膜下出血が心配でMRI検査を希望。
翌日、MRI&MRA検査を施行。
昨日、帰宅後気分不快。全体的に強い頭痛、吐き気もあり。(注)MRIはDWI、T2*WI、FLAIRを撮影しましたが、特に異常所見なく省略しました(以下同様です)。
1週間後MRAを再検。
初診後2ヶ月経過、頭痛はほとんどない。
初診後11カ月後、頭痛は完全に消失。
解答は下の方にスクロールして見て下さい。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
【解答】可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)
[画像解説]・初診翌日; 両中大脳動脈末梢(M3)に狭窄あり。
・1週間後; 上記の狭窄が進行、多発化。両後大脳動脈末梢、両前大脳動脈末梢にも狭窄が出現。
・2ヶ月後; 狭窄所見は改善傾向に。
・11ヶ月後; ほぼ完全に正常化。
可逆性脳血管攣縮[収縮]症候群(RCVS: Reversible Cerebral Vasoconstriction Syndrome)は脳動脈に多発的に起こる可逆性の狭窄で、(非常に希ですが)中枢神経限局性血管炎(PACNS: Primary angiitis of the central nervous system)との鑑別が必要なこともあります(髄液検査など)。症状は主に突然の頭痛(雷鳴様頭痛)、嘔気、嘔吐、脳血管狭窄により局所脳虚血が低下すると、視野異常や構音障害、片麻痺などの神経症状が現れます。20-50歳代の女性に多く(男女比は1:2-3)、一般的に予後は良好です。
この症例のように、上記の症状があり、MRAで多発的な脳血管狭窄を認めた場合は、RCVSによる脳病変の有無を確認することに加え、フォローアップ的にMRI/MRAを撮り経過を見る必要があります。
Chief Editor’s comments
MRAはアーチファクトも多いので、なかなか難しいですね。複数に渡る検査、位置ずれは生じると思いますが、サブトラクション(レジストレーションもできれば併用して)はできないでしょうか。
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。