RADっていいとも 素敵な仲間とのペンリレー(83)原田 翔平

はじめに

藤田医科大学病院の原田翔平と申します。
診療放射線技師として今年で9年目、現在はMRI専属として日々検査に向き合っています。

このたびご縁をいただき、「RADっていいとも」を担当させていただくことになりました。
これまで一読者として拝見してきたこの企画に、自分の名前が並ぶことに少し不思議な感覚があります。

こうした機会に巡り合えたことに感謝しつつ、今の自分なりの言葉でMRIについて感じていることを書かせていただければと思います。

画像1 第53回JSMRMでの発表風景

MRIと向き合う

最初に言ってしまうと、自分はいまだにMRIが「わかっている」とは思っていません。
物理も、パラメータも、再構成も、理解しているつもりでも、条件が変わると簡単に崩れてしまい、日々、パラメータと格闘しています。それでも毎日触り続けているのは、わからないことが面白いからです。

普通はわからないものは避けたくなると思いますが・・・。

でもMRIに関しては、わからないことが増えるほど、なぜか解決したくなる。職場の上司や同僚、研究の仲間と対話する楽しさがあるからやめられない。この感覚が、自分の中ではずっと続いています。

そんな私のMRIとの出会いは大学4年生の時の研究室でした。
ただその頃は、永久磁場装置に触れる機会はあったものの、研究の中心は動物実験で、「MRIにどっぷり浸かっている」という実感はあまりありませんでした。

本当の意味でMRIと向き合い始めたのは、入職して1年目、部署配属が決まった頃です。

ある日、私が行っていた検査の中でアーチファクトが出て困っていると、先輩が一瞬で原因を見抜き、迷いなくパラメータを調整し、短時間で綺麗な画像を出したのです。
そのときに感じたのは「すごい」ではなく、「何が起きているのか全くわからない」という違和感でした。
今思えば、その「わからなさ」が、そのまま今の自分の原動力になっている気がします。
正直、初めは理解できていない部分も多かったですが、「わからないなりに触れ続けること」が大事だったと思います。

MRIは、自由度が高いモダリティだと思います。パラメータ一つでコントラストも分解能も変わる。工夫次第で撮像時間も短縮できる。極端に言えば、「同じ患者でも全く違う画像を撮像できてしまう」。
これは面白さでもあり、同時に技術の差でもあると感じています。

特に最近はDeep Learning再構成の技術が進み、「見えない部分」がどんどん増えてきました。ボタンひとつで画質が良くなったように見える一方で、「これは本当に正しい情報なのか?」と立ち止まる場面も増えました。

だからこそ今は、DLRによってどの程度の画質であれば臨床的に許容できるのか、どの程度の分解能であれば診断に耐えうるのか、そういった「判断できる基準」を明らかにしていくことに興味があります。

正解がないからこそ、自分なりに指標を持つことが重要だと感じています。こういったことを考えるようになってから、少しずつ自分の中で軸が変わってきました。
以前は「いい画像を撮ること」に意識が向いていましたが、今は「いい検査をすること」を大事にしています。

MRIは患者さんの協力があって初めて成立します。どれだけシーケンスを詰めても、動いてしまえば意味がない。だからこそ、声かけ、安心感、姿勢、ポジショニングといった、一見“当たり前”に見える部分をより大切にしています。

これは初めに上司から教わったことですが、今になってようやく実感できている気がします。同時に、音が鳴っていない時間は大罪であるという信念も、後進にしっかりと引き継いでいます(笑)。

趣味

趣味はスノーボードです。小学生から続けており、木曽エリアによく行きます。
最近はゲートに入って基礎的な動きを見直すことが増えました。MRIもスノーボードも基礎を積み上げることが、上達・習得への一番の近道だと感じています。
また雪山で見るこの景色も趣味の魅力の一つです。毎回違う山の姿を見せてくれて、そのたびに「また見たい」と思ってしまいます。

画像2、3ホームゲレンデ(御嶽スキー場と白馬五竜からの景色)

最後に

これまで専門技師資格や大学院進学など、いろいろなことに取り組んできましたが、今強く感じているのは「人とのつながりの重要性」です。
研究会や学会での何気ない会話から、新しい視点をもらうことが多くあります。
また、最近ではCanonのDLRに関する研究会の立ち上げにも関わらせていただき、「一人ではできないことがある」ということを実感しています。

学会で声をかけてくださる方、一緒に議論してくださる方、そして日々支えてくれる職場のメンバーには本当に感謝しています!!
今後は、単に「良い画像を撮る」だけではなく、「誰が見ても納得できる画像とは何か」を示せるような仕事ができればと思っています。

技術が進めば進むほど「感覚」に頼る部分と「定量化すべき部分」の両方が重要になってくると感じています。
MRIは、知れば知るほど難しく、解決策も一つではありません。だからこそ面白く、続けていきたいと思える分野です。
まだまだ勉強中ではありますが、これからも多くの方と関わりながら、自分なりのMRIを追求していきたいと思います。学会などでお会いした際は、ぜひ気軽に声をかけていただけると嬉しいです。
今後ともよろしくお願いいたします。

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山崎 敬之

投稿者プロフィール

静岡済生会総合病院でMRI業務につき、10年となりました。勉強しても分からないMRIの奥深さに魅了されています。毎日、楽しく学んでいきたいです。

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