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スパインマットレスで楽に頭部、脊椎の検査をおこなう
- 2015/8/18
- Any Modality, よもやま話
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スパインマットレスとは?背景
背景
高齢者のMRI検査が増加しています。横浜市◯区の人口は約12万人、人口に占める65歳以上の方(高齢者率)は27.4%で横浜市で一番の高齢者率です。認知症の頭部検査、腰椎検査、頚椎検査などが増加しています。高齢者なので、検査ベッドに寝かせると猫背の方、胸椎や腰椎に圧迫骨折を持っている方(円背の方)、頸部が硬直している方は極端に顎があがってしまいます。(多くのMRIをやっている技師さんは経験済みですよね?)受診者の中には頭部が宙に浮いてしまう方もいます。このような状況になると受診者は、大変苦しみます。顎があがってしまうことで、頭部MRAでは撮像断面が変化してしまう(横断→冠状断)ことも考えられます。VSRADの古いverでは、顎が極端にあがっている撮影は控えることを推奨しています。(解析時にエラーが生じる) 従来は装置付属のマット類をうまく利用して、検査に用いていていました。しかし、専用のマットレスがあればと考え、Medex(メディカルエキスパート社)にコンセプトを話し、実用化していただきました。スパインマットレスと呼んでいます。
スパインマットレスあり、なしの効果を示します。左はスパインマットレスなしの頭頚部矢状断T1強調画像です。右はスパインマットレスありの画像です。顎の位置に注目してください。スパインマットレスを用いることで、顎の挙上が抑えられ、正常人と同等の体位で撮影できることがわかります。
スパインマットレスの使い方
スパインマットレスは図のように用います。普段は上段のような形で用います。実はこの形で、すべての受診者に使えると考えていました。しかし、すべての受診者に用いることはできませんでした。理由は、背丈、腰の曲がり程度、円背の程度、肥満の程度などさまざまだからです。一つの形態では対応できないがわかりました。そこで中段のように、スパインマットレスの先端部分を折り曲げて用います。この方法で、多くの受診者に対応が可能です。この先端部分の折り曲げ方も受診者ごとに工夫します。それでも顎があがってしまう方は、装置付属のクッションを更に追加して工夫する置くこともあります。以上、使用方法をまとめると、マット先端部分を折り曲げてフレキシブルな形にして用いています。受診者の体型に合わせ、いろいろな形を自由に作り出すことができるのが特徴です。
実際の使用感(3施設サイトへの貸し出しフィードバック)
スパインマットレスの置く位置に慣れが必要です。実際に確かに筆者もそうでした。また受診者が起き上がった時に、倒れないように支える必要があるということも指摘されました。当院では技師が患者さんに張り付くため(高齢者の方なので必須です)、わからない事例でした。マットの置く位置に慣れは確かに必要です。しかし慣れてくると、どの体型の患者さんが来ても上手くマットレスに寝かせることが可能です。3名の受診者の方に使用感を伺いました。3名とも、大変楽に検査を受けることができたということでした。頭部、脊椎検査であればマットを置いたままで検査もできます。逆向けに置いて足台としても活用可能です。CTにも使えるということも提案されました。
皆様も興味があれば、是非ご検討ください。
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