ハイエンド60cmボア Amira (アミーラ)の発表
今年のシーメンスのMRIでは、Amiraという機種が発表になりました。
そこで、シーメンスMRI装置のポートフォリオ(製品展開)をちょっと確認。
3.0T (70cmボア)Skyra /(60cmボア) Spectra /(パフォーマンス)Verio
1.5T (70cmボア)Aera /(60cmボア) Amira /(エントリー)Essenza
こんな風に、1.5Tの60cmボアで、ハイエンド機種としてAmiraが発表されたわけです。このAmiraには、これまでにない電源周りの改良が行われていて、それは「Eco-Power」という方式のようです。MRI装置に近づくと「プシュン、プシュン」という音が聞こえますが、これは気化したヘリウムを再度圧縮して液化するためのコンプレッサーの音ですね。これ、連続して作動していなくても、時々作動するようにすることで、30%の電力を節約できるんだそうです(ちなみに知っていると思いますが、超電導コイルの中の大電流は、「超電導」なぐらいだから、抵抗がゼロで、外部からの電力供給は要らないのですね)。
それで、Amiraはハイエンドですから、さまざまな最新のシークエンスは搭載されています。
まず、Quiet Suite(静音撮影)
左側は従来法(MP-RAGE)で、右側はPETRAと呼ばれるultra short TEスキャンとQuiet Xと呼ばれる静音化技術の組み合わせで得た画像です。
FREEZE it(ラジアルスキャンによる非息止め全肝ダイナミック
・・・StarVIBE (ラジアルスキャン=非息止めでも冊得可能)とTWIST-VIBE(raw dataを入れ替えることで高速に撮影)が合体しています。
さらに、QISS(非造影MRA)、WARP(金属アーチファクト抑制撮像)の、合計4つが具備されます。
QISSについては良く分からなかったのですが、NATIVE(FBIのこと)とは異なり、2つの撮影のサブトラクションではなく、IRパルスを使って周囲を抑制しながら、流入してくる不要な血流(例えば動脈撮影なら静脈)を抑制する方法のようです。サブトラしないので、mis-registrationが発生しなくて、2つのスキャンではないので撮影時間が短いとのことです。
そのほか、ソフトウエアとしては、Syngo.via B10になると、SEEitと呼ばれる、前立腺癌に対する包括的なソリューション(最大60chコイルを使った前立腺撮影から、biopsy、PIRADSに基づいたレポートまで)を提供するとのことでした。
小児MR撮像への対応
最近、米国では、小児のMR検査を改善しようという機運が盛り上がっており、それに対応した製品や工夫をしているとのこと。
↓は、小児用の頭部・体幹部コイル。ちょっと見にくくなりましたが、大きさが「小さい」ことを示すために、僕のパソコンバッグを置いて撮りました。
こんな風に、クレードル風になっているので、10kgBWまでの新生児・幼児を寝せたまま運んで、カチッとセットできます。移し替えるときに起きて鳴いちゃうから、これは便利ですね。私は昔小児科医だったので、移動には細心の注意を払っていましたが、これがあったらよかったです。
こちらは、子供がMRI撮影の前に遊ぶためのコーナー。
これはビデオでご覧ください。
http://youtu.be/RjBtVafQkD8
Magnetom RT pro edition
これは放射線治療用に開発されたMRIです。
治療に適するように、MRIの前に、四角い枠(レーザー照準装置)が付けられており、また通常と異なりフラットな天板が採用され、固定具を付けても撮影ができるように工夫されています。
MRI+CT(別撮影)の位置合わせをWS上ですることにより、組織コントラストに優れたMRIをCT上にFusionして治療計画を立てられるようになっているとのことでした。
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