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cDWIの使用経験 – メディツールズ のOsiriX plug inの使用経験 –
- 2014/12/29
- Any Modality, よもやま話
- コメント:1件
はじめに
海外学会(ISMRMなど)の参加は難しいので、毎年参加する磁気共鳴医学会(MR学会)をすごく楽しみにしています。最新の情報や、多くの仲間との情報交換はとても有用です。このブログでも京都大会の様子を学会報告でレポートしていますので、是非読んでいただけたらと思います。
そこにも書きましたが、非常に多くの演題で取り上げられていたのがcomputed DWI(cDWI)という方法でした。数年前の学会から、東海大学の高原太郎先生が紹介していましたが、これほどの注目とは正直思いませんでした。私個人も、拡散強調画像に強い思いいれがあります。また、多くの演題を拝聴している間に、疑問も湧いてきて、是非来年の学会に向けて研究したいと思うようになりました。以前よりOsiriX (Macで使えるDICOM Viwer)にて、cDWIができるということを聞いていましたので、今回思い切って財布の紐を解き、7年ぶりにMac (Mac Book Pro Retina)を購入しました。(スマホはiPhone6)
数年ぶりのMac
数年ぶりのMacは、OS X Yosemiteでした。私が使っていた当時のiBook OS10.4 (Tiger)とは全く違っていたので、高原先生に基本的な設定や動作を教わりました。そのお陰で今ではようやくWindowsの呪縛から解かれ、少しずつ仕事をMacのほうに移しています。OsiriXもその昔、拡散強調画像と、通常のT1,T2強調画像などとフュージョンできることから使った経験があったので、簡単に操作できるであろうと思っていました。しかし、あまりにも時が経っていたのでなかなか上手く操作できませんでした。ここは毎日、夜中に眠い目をこすりながらいろいろ操作し自分で勉強しました。
高輝度ノイズとOsirix プラグインソフト
まずフリーのPlug inソフトである”ADC”を使ってみました。3Tで撮影された、前立腺部の画像を用いました。
シリーズを選択して4D Viwerで開きます。プラグインメニューからイメージフィルターを選択、“ADC”を選択します。b=3000のcDWIを作成してみました。4分割で展開され左上に元画像、右上にADC MAP、左下にcDWIで作成された b=3000の画像です。ぞれぞれの画像に対して3D MIPも作成できます。
さて、次はb=5000の画像を作成します。同じように画像が展開されます。cDWIの画像b=5000(左下)に注目してください。特に骨の部分です。高輝度ノイズが画像に乗っていることがわかります。3D MIPを作成すると、この高輝度ノイズの影響で綺麗なDWIBSの画像を作成できませんでした。
この高輝度ノイズに関することですが、高原先生がかなり詳細に書かれています。下記URLを参考にしてください。
http://www.innervision.co.jp/ad/suite/ziosoft/futuredevelopment/201409
ADC<0のピクセルが存在していることが原因ということでした。私がやりたい研究は、技師なのでより基礎的な実験です。このようなピクセルが存在すると正確な信号強度が測定できないので、非常に困ります。なにかよい方法はないであろうか?と考えていたところ、このようなサイトを紹介していただきました。
メディツールズのプラグインソフト
メディツールズというサイトです。
なんとこのメディツールズのプラグインソフト “Computed DWI “はそれほど高価でなく(2000円)、この問題である高輝度ノイズも削除できる機能があるということでした。早速登録しました。後ほどメールに、ソフトとインストール方法が送られてきました。それをよく読んでインストール。簡単にできました。
予めワークステーションでシリーズを分割(GE社の拡散強調画像は同一シリーズに2つのb値の画像が収められる、それをZIOに送って、ZIO上で画像を分割しました)しておいて、OsiriXに読み込ませました(注:OsiriX上でもできます=メディツールズの説明文に方法の記載あり)。各画像の上端に、小さなアイコンが表示されていますので、一つのシリーズのアイコンをドラッグして、もう一つのシリーズの画像内にドロップします。
↓するとこのようなWindowが現れます。フュージョンプラグインのところを押すと”Computed DWI”が選択できます。ドラッグもとのb値1500を入力します。
すると分割画面右にデフォルトで設定されているb=1000のcDWIの画像が作成されていました。b=5000まで作成可能です。2点着目すると、「ADC値による除外」というメニューの中に低いADC画像を削除というボタン(すでにこのボタンは選択されている:0〜1.0mm2/s)、ADC値によるWW/WLの自動設定(0.6✕10-3 mm2/s)の中に自動設定というボタンがあります。(すでにこのボタンは選択されている)
↓cDWIでb=4000の画像を作成してみました。すでに高輝度ノイズは削除され、骨の部分にドット抜けのような低輝度ピクセルが現れていました。作成されたb=4000の画像も適正なWW/WLで描出されています。先の2つのメニューがこの画像を適正に表現しているからだと思います。
↓「低いADC画像を削除」のボタンを押して、チェックボタンを解除すると、高輝度ノイズが現れます。
この各画像はMPRも瞬時にできるし、MIPも簡単に作成できます。DWIBSもMIP表示で簡単に作成できます。高輝度ノイズを削除しないと綺麗なMIPで表現できません。
高輝度ノイズを削除するとこのような綺麗な3D MIP画像になります。
このソフトは今後の研究や臨床の場において、絶対必要だと思いました。
このプラグインソフトは今後絶対に必要
詳細にはお伝えできないのですが、すでにこのメディツールズのプラグインソフトを用いて、研究を始めています。ファントム実験なのですが、この高輝度ノイズを除去しないと、綺麗なデータを取得できないことがわかりました。すでに高原先生のチームがMR学会で発表されていたことなのですが(後で知った)、とても面白いデータを取得することができました。この結果は来年のMR学会に発表したいと思っています。このソフトは共同研究施設にも紹介する予定でいます。また来年早々にも、cDWIのFacebook Pageを立ち上げてみたいと思っています。何を共有するかはまだ考え中ですが、やってみて考えていくのも良いのではないかと思っています。是非興味のある方はメディツールズのプラグインソフト”Computed DWI “を使ってみていただきたいと思います。
ライター紹介
横浜栄共済病院 診療技術部 放射線技術科 高橋光幸
コメント
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コメント (1)
初めまして.横山と申します.私も放射線技師です.
現在,コンピュータDWIに興味があり,ネット上で高橋さんの記事を拝見しました.それでさっそくマックにOsirixを入れて,さらにプラグインでADCmapも入れ,画像を指定(b=0,B=800,腹部環状断DWI画像)し,4Dビューア開き,ADCを選択しましたが,うまくゆきません.できましたらさらに詳しい操作方法をお教えいただければありがたいのですが,なにとぞよろしくお願いいたします.