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◯◯◯症候群(ネタバレ注意)
- 2014/12/31
- Any Modality, ミニレクチャー
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※ネタバレ注意!
必ず、片平先生の『MRIクイズ(1)』を先にお読みください。
まだお読みでないかたは、このウインドウをそっと閉じてください。
本文は下の方にあります。
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鎖骨下盗血症候群 – Subclavian Steal Syndrome
鎖骨下盗血症候群は、左鎖骨下動脈の起始部の閉塞・高度狭窄のため、本来、左鎖骨下動脈から左椎骨動脈へ供給されるべき血液が、右椎骨動脈→脳底動脈分岐部→左椎骨動脈(逆流)→腕の血管に血流が盗まれてしまう(盗血)症候群です(腕頭動脈が閉塞した場合は「左→右」の逆ルート)。右側の椎骨動脈から血流を奪い、左側の椎骨動脈から上肢に血液を供給するため、特に左手を挙上したり、力仕事をした際などに脳への血流が低下し、一時的に椎骨脳底動脈系の循環不全となり、めまい、呂律障害、脱力などの症状を起こします。
鎖骨下盗血症候群は上記のような症状以外に、頚動脈エコーで左椎骨動脈の逆流、四肢血圧検査(ABI【Ankle Brachial Index…足関節/上腕血圧比】)で左右上腕の著しい血圧差で見つかることもあります。
鎖骨下盗血症候群のMRI
MRIは3D-TOF-MRAで検出することは困難なため、DSA検査や造影MRAが必要となります。TOF-MRAでは左椎骨動脈が描出されませんが、もともと低形成である可能性を否定できません。SAT方向を逆(I→SをS→I)にすれば分かるかもしれませんが、通常の検査でそこまで思いつく余裕はないでしょう。
造影MRAを撮ると、左鎖骨下動脈起始部の起始部閉塞(高度狭窄?)と、右椎骨動脈から左上腕へと逆流するルートが一目瞭然です(一番上の図表と見比べてみてください)。
キャプションした画像では分かり辛いのですが、左鎖骨下動脈~左上腕動脈の信号は(血流低下を反映して)健側と比べて全体的に低くなってます。動脈硬化が疑われる患者さんに対しては、頚動脈エコーやABIでスクリーニングした方が良いかもしれません(この症例もABIで偶然に見つかりました)。
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