RADっていいとも 素敵な仲間とのペンリレー (8) 山村憲一郎

題名:『MRI 知れば知るほど 奥ふかく』

山村顔写真

島根大学の内田さんからバトンをいただきました山村憲一郎です。写真は先日おこなわれたGEヘルスケア社のMRI画像コンテスト”Signa甲子園2014″の翌日に行われた、嵐山でのエクスカーション(小旅行)のものです。

1987年に京都医療技術専門学校(現 京都医療科学大学)を卒業し、高槻の大阪医科大学附属病院に勤務しております。たばこを吸われる方とは喫煙所でお会いしていることと思います。

趣味

一番長く続いている趣味は、海釣りです。おもに若狭、和歌山、三重の磯(沿岸の岩場)に船で渡してもらってグレ(メジナ)を釣って楽しんでいます。最近は忙しくなってご無沙汰になっています。他にはスキー、アマチュア無線といろいろやってきました。就職してからスキーを始め、先輩方に志賀高原や八方尾根に連れて行っていただきました。先輩方は体育会系が多かったので、合宿のようなスキーツアーでした。その甲斐あってかSIA(Ski Instructors Association of Japan)のシルバーメダルを持っています。また私の世代は、まだ携帯電話のない時代で、仲間(先輩)と連絡を取る方法として、430MHz帯のアマチュア無線を使っていました。私と同じ世代のみなさんはよくご存じの「私をスキーに連れてって」という映画の中で無線を使っていたことから、ほぼ強制的に免許を取得しました。これにもハマり第二級アマチュア無線技士を取得しました。まさかこれがのちにMRに生かされるとは、その時は思いもしませんでしたが・・・.

 MRIとの出会い

就職当時、MRIは当大学に設置していませんでしたが、2年後の1989年にSigna performance plusが設置されました。その頃まだまだ新人の私は触れることも許されません。8年目にMR室に配属になりその面白さにハマりました。当時、当院にはGE社の1.5T装置である、Signa Performance plus(ver.3)とSigna Advantage(ver.4)が設置されておりました。でも、Performance plusしか担当させてもらえなかった思い出があります。(でも実はこれがよかった)

performance control1.5T Signa Performance plus
advantage controlSigna Advantage

骨盤のT2強調画像を撮像するのに、スキャン時間15分、Pre scanを入れるとおよそ20分かかります。その間に難解な基礎の本を読むことができました。趣味の項でお話しした通り、無線のおかげでシーケンスチャートにあるTxは送信ゲイン、Rxは受信ゲインであること、表面コイルはダイポールアンテナと同じということがすぐに理解できましたし、バンド幅でSNRが変化することは、他局からの声の“受信“で経験していたので、MRの基礎にハマる素質が十分だったのかもしれません。(笑)

 休眠期間

MRがさらに面白くなってきた6年目のある日、当時の技師長から「CTを勉強するように」と、CT担当になりました.当時、担当する部署を極めるため、担当以外の研究をしづらいこともあり、MRIの研究から遠ざかっていました.そんなある時、MRIに認定技術者の制度できたと知り、MRを担当するための切符のような気持ちで応募しました。MRIを離れてから5年間、遠ざかり過ぎていたせいか、性能評価の書類で落とされましたが、第4回の試験で合格できました。合格証を当時の技師長に見せて、「MRIの担当に戻して下さい」とお願いし,MRIに配属していただきました。しかし、MRIに配属となった私に課せられたのはMR室責任者としての配属でした。

 現在に至る

責任者としての初めての仕事は、3T装置の設置とマネージメントでした。試験のために勉強はしていたものの、6年間ご無沙汰していたMRIはまさに浦島太郎状態。さらにド素人のマネージメント業務が加わって、混沌とした毎日を送っていたことを思い出します。

導入された3.0T装置は綺麗に撮像できるところは限りなく綺麗に、そうでないところはとてつもなく、中間のない3.0Tの実態に泣かされました。そんな頃に助けていただいたのが、同僚や学会や研究会でご一緒するMRIを研究している先輩や仲間です。いろいろなヒントや知恵を授けていただけたことで、乗り切れたんだと思います。バトンをいただいた内田さんもその一人です。研究課題であった3.0T装置のCUBE(GE社の3D-FSE(VRFA Type)で,短時間でも骨盤の綺麗な画像を撮像できたことに凄く感激でした。この成果をつくばで行われた磁気共鳴医学会で発表しました。

CUBE sag

また当時、京都市立病院に勤務されていた小倉昭夫教授(現在は群馬県立県民健康科学大学)とお近づきになれたのも大きい要素です。小倉教授と偶然にも同じ宿で、「もうちょっと飲まへん?」と言っていただき、なんと2時間もサシで飲むことができたのです!以前からもよくしていただいていましたが、私にとっては雲の上の人。ただただ、嬉しくて嬉しくて。それから、いろいろな場面で引き上げていただき、それとともにいい加減なことが言えなくなって、もっと勉強するという好循環をいただけました。さらなる深みにハマるため、大学院(金沢大学大学院医薬保健学総合研究科)へ入学し、修士課程を経て後期課程で宮地利明先生にご指導いただいています。

将来は・・・
病院の先生方の実験に参加しても、なかなか共同執筆者にしてくれないのが当施設の現状です。なんとかこれを打開して、ph.D.として名前を連ねたいと考えています。それと、知れば知るほどorzな奥深いMRIにもっとハマりたいと思います。

次の人は・・・

Philipsのユーザーの方はもとより、MR界では非常にご高名な大阪赤十字の高津さんです。どんなことでも決してあきらめない、納得するまで論議する姿勢に感服しています。業務、講演とお忙しい上に多数の論文もこなしてらっしゃる高津さんですが、どんなお話しが聞けるのか楽しみです。

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