磁場シールド (じばしーるど:magnetic shield)
一般にMR装置は静磁場強度が高いほどS/N比が向上する。しかし高磁場であればあるほど問題も生じてくる。第一に、マグネット本体からの洩れ磁場が周辺環境に与える影響である。磁気に影響されやすい医療用機器・装置や心臓ペースメーカー装着者を漏れ磁場から保護する必要がある。第二に、撮影室周辺の磁性体からの撮影用静磁場への影響である。高画質を得るためにMR装置の静磁場には高い均一性が要求されるが、撮影室周辺に可動性の強磁性体による重量物(例えば自動車やエレベーターなど)があると静磁場を歪める原因となる。これらの影響の対策として、次のような磁気シールドがある。1.撮影室全体を鉄プレートなどで囲うルームシールド、2.マグネット本体周囲をヨークとよばれる鉄材で覆うセルフシールド、3.撮影室の中に鳥かご状の磁性材構造物を設け、その中に装置本体を配置するケージシールド、4.主マグネットのすぐ外側に主マグネットの磁場を相殺するようにコイルを配したアクティブシールド、5.セルフシールドとアクティブシールドの両者を組み合わせたハイブリッドシールド。(石森文朗)
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