MRIあるある!その設定角度完璧ですか!? (キャノン ForeSee View)

撮像してみたら角度がいまひとつ~残念!!

再撮像に3分かかるし、どうしよう・・・なんて経験をした技師は少なくないのではないでしょうか?

MRIに精通した技師であれば、容易に想像できる角度。知識と経験によって目的部位を描出するスキル。

しかしながら、これらのスキルを習得することは容易ではなく、常にストレスと戦う技師が多いのではないでしょうか。

悩ましい肩関節の断面設定

悩ましい肩関節の断面設定

上の図の吹き出しのような出来上がりを想像し、描出できるよう、プランの角度を設定するような場合です。

もしも、撮像後出来上がりを想像ではなく、上図のように設定した角度に応じてリアルタイムで画像確認しながら位置設定ができるとしたらどうでしょうか?

 

そんな期待に応えてくれる便利機能があります!

その名もForeSee View(キャノンメディカルシステムズ)です!

肩関節を例に説明しましたが、使える部位は肩関節だけではありません。

例えばこちらの場合

左右合わない聴神経

左右合わない聴神経

聴神経撮像時、左右の聴神経を合わせるために角度を設定してもわずかにずれてしまうことはないでしょうか?

このような場合、ForeSee Viewで確認をしてみると、わずかに左右がずれていることがわかります。

左右がそろった聴神経

左右がそろった聴神経

そこでプランニングをわずかに角度変更することで、左右が均等に描出される角度を見つけることが可能となります。

右側に、設定断面のMPR像が表示される仕組みとなっており、角度を変更していくと、MPR像がリアルタイムで観察できる仕様です。
あらかじめ設定範囲に対応する撮像(40sec程度)を行う必要はありますが、非常に便利な機能です。

 

すでに撮像した画像があれば、専用のスキャンなしでもMPR像を得ることも可能です。

聴神経のように、もともと薄く撮像されているような部位は特に応用可能です。全身どの部位であっても利用可能であることがうれしいところで、心臓MRI検査時の4腔断面の角度を探ることも、脊椎における神経の走行に合わせたいときも可能です。

 

腫瘍性病変の広がりも確認できます!

肘も簡単

肘も簡単

さらに腫瘍性病変があるような場合には、撮像してみると、思ったよりも範囲が広かった、なんてことも起こりえます。

そのような際にも事前に範囲を確認して撮像することができます。

上の図ではオレンジラインに対応するMPR像を下段に示します。

仮に真ん中の画像を最初のプランとして撮像した場合、全体像が撮像範囲に収まっていないことがわかります。

そこで右側の画像のようにMPRで確認しながら設定することで確実に一度の撮像で範囲に収めることが可能です。

 

このように、結果を可視化しながらシーケンスを設定できるため、余分な広範囲を撮像することが激減します。

また、範囲が分かっているので、それに応じたスライス枚数や、厚さを設定することもできます。

まさにかゆいところに手が届く新機能ではないでしょうか?

原理は非常にシンプルなもので、この機能を使い始めると、今ではしっかりとお世話になり続けています。

もちろん、熟練の皆様にとっては不要かもしれませんが、私は重宝しています。

さらにうれしいのは、この機能が標準装備だったことです。オプションでもおかしくないと思えるくらい大活躍している機能です。

 

ストレスからの解放!

MRIの担当者は様々なストレスと戦っており、そのひとつからの解放を支援するこの機能。

これから、もっと便利な機能が追加されていくことを期待しています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

oct山形県立新庄病院 放射線部 診療放射線主査

投稿者プロフィール

どんなに触っても終わりが見えないMRが大好きです。
いつか自分のオリジナルを作るのが夢です。

この著者の最新の記事

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

MRIfan.netからのメルマガを受け取る!

※以下ドメインメールアドレスはプロバイダのフィルタが厳しく、到達率が低下しております。
確実なメール受信の為に、GmailもしくはYahooアドレスでの登録を推奨しております。

@icloud.com @me.com @mac.com @hotmail.com

*メールアドレス
*お名前(姓)
*種別

おすすめ記事

  1. <新企画>「撮像のワンポイントアドバイス」 ★~★★★までの難易度を設定し、MRIにおける基…
  2. インナービジョン編集部(三橋 信宏(みつはし のぶひろ)編集長)様のご厚意で、2001年のインナービ…
  3. はじめに MRIfan.net新編集委員となりました岡山済生会総合病院の吉村祐樹です。上腹部…
  4. この記事をお読みいただいている皆さんは、病気で診察を受けたり、入院したことありませんか? 『〇〇科…
  5. 大雄会第一病院の伊藤祐介です。今回の記事はT1強調画像の撮像法についてあらためて考えてみたいと思い…

プレスリリース

登録されているプレスリリースはございません。

Facebookもチェック!

話題をチェック!

  1. 2019-1-12

    ペースメーカ本体(ジェネレーター)の型番だけで、MRIの安全性を判断しないでください!!

    心臓ペースメーカの構造って? 一口に心臓ペースメーカといっても、下図に示すようにペースメーカ本体(…

年別アーカイブ

ページ上部へ戻る