フィリップスブースでは、新しい装置の発表はありませんが、その代わりに新しいversionの中身を前面に押し出していました。加えてここの写真にあるように、「In-Bore Experience」と呼ばれる、あたらしい撮像体験のデモを行っていました。
RSNAのレポートで既報のものですが、実際に体験してみると、世界が変わったような気持ちになりました。とにかくインパクトがすごかったです。かなりの人だかりで、人のいないモックアップの撮影は不可能でした。加えて、フィリップスの静音化技術である「Confor Tone(コンフォトーン)」のデモも行いました。撮像が始まっても音楽が聞こえるし、海の中でエイが泳いでいるし、言葉にならないほど、興奮でした。素晴らしい。原理は昨年高原先生がRSNAレポートに書かれていますので、そちらをぜひご覧ください。。
川崎S病院のN先生も実際に経験しました。
こんな動画がMRIのボアの中で体験できます。
新しいアプリケーション、R5.2を説明していただきました。説明してくれたのは元東海大の本田さん(診療放射線技師)です。ありがとうございました。
まずはSignle-shot FSEで撮影できるひずみが少なく、高分解能に撮影できるTSE DWIです。フィリップスはこういった技術を採用しました。
冠状断の頭部の撮影も歪まないし、頚髄の撮影も歪まずに撮影できます。
こういった歯科インプラントをもった患者さまもひずみを抑制した、拡散強調画像を作成できます。
直腸にガスがあったときは、EPI-DWIではひずみがひどかったのですが、TSEで撮影できるということで、こちらもひずみなく撮影でき極めて有用であるというとでした。
SWIpという撮像シーケンスが使えるようになります。シーメンスのSWIと違って、血管と石灰化を分別できる(血管は黒、石灰化は白)とのこと。熊本大学の米田哲也先生が考案されたのですね。
フィリップスもpCASLが2Dでできるようになりました。ラベリング効率が良く非常にきれいになったということでした。
m-DIXON-Quantです。G社のIDEAL−IQ同等撮像シーケンスです。Fat fractionとR2*またT2* mapも作成されるということでした。カラー表示なんですね。T2* mapはG社ではできないので非常に興味深いです。
びっくりしたのですが、フィリップスもとうとうMR-Elastgraphyが撮影できるようになりました。
ドライバーはGE社と同じ会社からOEM供給を受けているようです。FFE法(Gradient Echo法)で実現しています。G社は3TはEPI、1.5TはGradient Echo法です。撮像可能枚数枚数に差があるようです。
このようにstiffnessマッピングされます。網掛けが出て、ROIを囲まないようにするところも同じです。
VISTA(3DのT2WI)は、頭部用に専用シークエンスとしてBrain Viewに進化しましたが、新しいversionでは脊椎、乳腺、骨盤、女性骨盤、前立腺にも、各々に最適化されたModulation FA 3DFSE法ができるようになりました。
こちらは前立腺と女性骨盤です。非常にきれいに撮影できます。
心筋のMapping技術です。Star QuantではT2およびT2*MAPを撮影できます。
フィリップスもシーメンス同様、MOLLIを使ってT1 mapを作成できます
これでシーメンス同様すべてのmappingが撮像可能です。その他にも金属アーチファクト低減技術を説明してくれました。面内のみならず+スライス方向の補正も行っているということでした。
最後に別コーナではSynthetic MRのコーナがありました。GEのMAGiCと同じです。5分の撮影で様々なコントラスト画像を作成できるということでした。フィリップスも大いに期待できますね。
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