落ちムラ無し!!B-TFEでもSTIR!

YouTubeショート動画もご覧ください:https://www.youtube.com/shorts/Jt_moBQyh20?feature=share

みなさま初めまして、飯塚病院の井下田と申します。
今回はPHILIPS GyroCup2020で発表した「落ちムラ無し!!B-TFEでもSTIR!」についてご紹介致します。

はじめに

皆さんBALANCEDシーケンス、結構使われていますか?
心臓のシネ画像、BASS-TRANCE(PHILIPS社 下肢非造影MRAシーケンス)、サーベイなど体幹部のオリエンテーション画像としてなど、幅広く用いられていることは皆さんご承知かと思います。
当院でもシーケンス指示を出す放射線科医の好みもあり、体幹部のほとんどの検査で多用しています。
BALANCEDシーケンスは短時間撮像、高コントラスト、高S/Nなどのメリットがたくさんありますが、バンディングアーチファクト、拍動の影響、脂肪抑制不良など撮像領域によっては難しい点があるのも事実です。
そこで脂肪抑制不良、心臓や脈管の抽出、バンディングアーチファクトの影響すべてを解決するための方法をご紹介します。

改善ポイントは3つです

1つ目はまずは、STIR on!!ということで初期設定のSPAIRの代わりにTFEのprepulse設定を用いて、Contrastタブの中のTFE prepulseをinvertに設定してdelay timeを入力します。1.5Tなら180 ms、3.0Tなら250 ms程度に設定します。STIRなのでムラなく綺麗に脂肪抑制がかかります。

Fig.1 脂肪抑制をSTIRへ

2つ目にSNの改善です。
Contrastタブの中のTFE Startup Echoesのshot intervalをuser definedに変更し、2 beat設定にします。次にPostprocタブのImagesでR(Real image)出力を追加選択します。
これでパラメータ設定上は2 beatですが実際の撮像は4 beatとなり、延長したTR分の信号回復で(縦磁化回復を待つことになる)STIRに変更したことによるSNの低下を補う事が出来ます。また、2 beat設定をすることによりTEを変更前の設定から3〜4割短くすることができ、バンディングアーチファクトの低減にも効果があります。

Fig.2 S/Nの改善

3つ目に拍動のアーチファクトの改善です。
PPU使用時はMotionタブの中のtrigger delayをshortestに設定します。Fig.3では胸部大動脈レベルでのQ-FLOWを撮像していますが、ほぼ全例 shortest設定にするだけで大丈夫です。ECG設定でも綺麗に取れるのですが、PPUの方が簡便で画質も問題無いのでオススメです(胸部領域でも呼吸同期は必要ありません)。

Fig.3 Trigger timing

今後は劇的改善!?

1.5Tでも十分綺麗なのですが、3Tでは同等の時間でより高いS/N比の画像を取得可能です。先ほど説明した通り、TEを短くできるメリットでバンディングアーチファクトもバッチリです。当時、当院にはCSまでしか導入していませんでしたが、Smart Speedなど最新の技術を併用すればもっと短時間で高画質な臨床画像が取得できると思います。
当時、1.5Tでも5mmでのコロナル全胸部撮像で撮像時間は2分以内でした。
撮像断面の違いによる画質の劣化はもちろんありませんし、脂肪抑制も均一にかかるのでMIP表示も高精細で提示可能です。

Fig.4 1.5Tと3T

おわりに

頸胸部領域などの磁化率の変化が大きく均一な脂肪抑制が難しい領域、胸郭などの動きや拍動の影響が大きい部位で有効に活用できます。
PHILIPS社製装置をお使いの施設に限りますが、BALANCEDシーケンスでお困りの方は、是非今回の改善を試してみてください。

Fig.5 改善前後

ライター紹介

飯塚病院 中央放射線部 井下田栄吉(いげたえいきち)

MRIを担当して10年が過ぎました。
日々疑問を持つこと、常にシーケンスの改善を念頭に業務にあたっています。今回の紹介例もその一心から生まれました。
これからも仲間と共に切磋琢磨していきたいと思います。

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Tachikawa Yoshihiko唐津赤十字病院 医療技術部 放射線課

投稿者プロフィール

MRIの魅力に完全に沼っています。
新しいアイディアを生むために、先人の方々の創意工夫から学んだ知識と想像力を活かし、固定概念に捉われすぎないように心がけています。今後もMRIを通じて出会う方々との繋がりを大切にしながら、皆様にとって少しでも有益な情報を発信していけるように精進いたします。

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