横浜栄共済病院の高橋です。今年のITEM2024でAIRS MEDICAL社のSwiftMRの記事を書いてみたのですが、皆さんご覧になっていただけたでしょうか?端的に書くと、AIリコンストラクションのできない旧装置で、AIリコンストラクションが使えるサービスということになります。その後MRIfan.net編集会議でも話題になったのですが、自施設のデータを使って、スピードとかを検証してみようというお話になりました。今回もお世話になるのはAIRS MEDICAL社の井下さまと松村さまです。ご協力いただきありがとうございました。
編集長の高原太郎先生から、前回の記事に対して以下のようなコメントをいただきました。
Chief editor’s comments
この記事の内容が本当かどうか(とくに、ユーザーが持ち込んだデータでどの程度良くなるのか、実際の病変がどのように見えるのか、処理時間はどうか)については、MRIfan.net上できるだけ早く検証することにしたいと思います。狭窄や、ノイズがなくなるとむしろ見えなくなる現象についても検証が必要だと思います。
そこで今回は実際に横浜栄共済病院で検証をおこないました。実験のリミテーションは院内ネットワークは当然使えないので、オフラインでの検討です。また実際に時間も限られているので、今回は
・ユーザーが持ち込んだデータでどの程度良くなるのか
・処理時間はどうか
について検証してみました。
用意したデーターはWSから匿名化した3D MRAのデータです。インターネット環境を利用してクラウドに転送する実演をしていただきました。こちらは動画にまとめてあるので、スピード感を体感してください。リール動画ではないので、少し長く感じますがご容赦いただきたく思います。
3T MRAのデータ152枚(512のデータ)が243枚にスライス方向に補間されて戻ってきました。所要時間わずか1分30秒ほどでした。
まずは画像を御覧ください。左がSwiftMRで、右がOriginal画像です。正直この画像を見たときは興奮しました。FOVを20cmほどにしてパラレルイメージングを使って撮影時間を短縮しているので、画像中心部分のノイズがOriginalでは目立ちます。しかしこのSwiftMRを見るとノイズは劇的に軽減されてるのがわかります。血管の形態もはっきりしてきて鮮鋭度が上がっています。この画像をMIPにしてみました。
横から見たMIP画像です。カッティングを入れると実際がわかりにくいと思い、手を加えてはいません。末梢の血管がきれいにSwiftMR で描出されているのが分かります。とても驚きました。正面の画像においても非常にきれいになっているのがお分かりになるかと思います。これほど改善されるとは思ってもいなかったので驚きました。
他院のC社の1.5T装置 汎用機 購入して10年経っている画像を提供いただいたので、いくつかSwiftMRで処理をしてみました。
腰椎のT2強調画像です。SwiftMRでノイズが軽減してるのがわかると思います。この場合はC社に特化したアルゴリズムで処理をおこなっています。
同一症例と思われるSTIR画像です。STIRはSNが悪いので、SwiftMRの良い適応となる可能性があります。ここまで劇的にノイズが減少し画質が向上すると、ただ凄いというしかないと思います。旧装置を使っているご施設には朗報であることは間違いありません。
T2 FLAIRの画像です。こちらもSwiftMRで劇的に画質が改善されています。嘘でしょう?というレベルではないでしょうか?あまりにも画質が綺麗なので逆に違和感を感じてしまうほどです。
最後に膝のT2*強調画像の画像です。T2*も右のようにノイズの乗った画像が多いですよね。SwiftMRで劇的に改善します。少し画像右のほうが暗いので、適切にコイルが配置されなかったかもしれません。でもこういった画像であっても画質を大きく向上できるようです。
実際に院内ネットワークに接続できないので、本当の本当というところは検証できないのですが、実際に処理された画像はオンコンソールまで戻るようです。技師は患者対応などで忙しいので、特に何も考えることなくオンコンソールに画像が戻ってきていると考えられます。ぜひ導入しているご施設がありましたらこの続きをMRIfan.netにご寄稿いただきたく思います。宜しくお願いします。
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