MRI装置は各メーカーごと独自の手法により様々な画像を描出することができますね。
非造影が得意な装置、DWIが得意な装置、体動補正が得意な装置と様々です。
最近ではDeepLearningを用いた画像が話題となっています。というよりは定着しつつある画像再構成技術です。
これは、最近の新しい装置を購入しなければ使用できない技術であり、ちょうど装置の入れ替えのタイミングの施設にとっては選択条件の一つと考えることにもなります。
数億円する高級医療装置を簡単に入れ替えることはできませんが、少しばかり安価に最新機種を手にする方法があります。
リニューアルソリューション
これは、現在使用しているマグネットをそのままに最新技術、最新ソフトウェアに変更することです。
その利点は、工事期間の短かさ。丸々入れ替えると1か月近く使用できなくなりますが、リニューアルソリューションは3週間かからないくらいです。
コイルは既存のものを使用できるなど、費用的にもかなり抑えることができます。
金額はここでは公表できませんので、メーカーに問い合わせてください。
Vantage Titan 3T Saturn Gradient → Vantage Galan 3T/Focus Edition
まだまだ現役だった、SaturnGradient。これをAiCEが使用できる装置に入れ替える工程を写真で公開します。
ちなみに、3Tでのリニューアルソリューションは世界初の試みとなります。
まずは消磁を行います。クエンチさせるわけではないんですねー。ちょっと期待していたんですが。手前の装置を使って磁力を消していきます。
消磁が終わったら一気に解体します。あっという間に外装がはがされマグネットがあらわになりました。次にコイルの入れ替え作業。
すごくきれいな銅色です。こんなところまでなかなか見れないですね。
ヘリウムの充填作業を行います。量は少なくても使用はしているんですね。そして画像のようにこんなにも霜がついております。
いったん、この霜たちを融解する作業を行ってます。クエンチじゃないですよ。
完全に磁力のない状態。この間に内装工事です。電球を変え、床材も張り替えて明るいイメージになりました。
一気に組み立て作業が始まりました。日に日に作業が進んでいます。もちろん機械室も傾斜磁場電源など総入れ替えです。
あっという間に寝台と外装カバーが取り付けられました。ついにTOSHIBAのロゴが消えてしまいました。少し悲しい気分です。
磁場を復活させます。何やらこんな機械をつなげてじっくり調整を行うようです。静磁場を慎重に調整し、外装を取り付けていきます。
送信コイルの調整に、渦調整をじっくり行います。
ここまでで日数にして14日。完成予定まであと1週間!
と思っていたらその4日後に・・・
呼ばれてMRI室に行ってみたら・・・
完成してました!もうすぐにでも使ってよいとのこと。
予定ではあと4日後のはずが驚きです。
マグネットの出し入れがないこと、シールドの張替えがないことなどが入れ替え作業時間の短縮になっているとのことです。
思いもよらぬ早さに、明日からの予定を変更して撮像条件の設定を行います!
せっかくだから初めから条件を組んでいきたいと思います。
第二弾、DeepLearning~AiCEの実力~(仮)は早めに報告します!
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