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ITEM2021レポート 富士フイルムヘルスケア編
- 2021/5/3
- 学会報告, 富士フイルム(旧日立)
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皆さんこんにちは。東京警察病院の古河です。
ITEM2021における富士フイルムヘルスケア(旧、日立製作所)のブース取材を担当させて頂きましたのでご報告させていただきます。
富士フイルムヘルスケア(以下、富士)のMRIfan.netにおけるブース紹介は、fumiponさんによる「ITEM2019(1) ~ 日立製作所編」以来となっておりますので、2年ぶりのご紹介となります。
富士ブースには最初に回ったのですが、ITEMの入り口はなかなか盛況で、屋内という事で密になっていないか最初は心配でした。
富士ブースに着くと感染症対策の観点より、QRコードからの入場登録による人数制限や、手指消毒、ブース内のQRコードから各種映像コンテンツを見ることができるなど、様々な配慮をされており安心して取材することができました。
今回、ブース取材にご協力いただいたのは船造 寿光さんです。富士におけるMRIの取り組みについて、詳細に解説して頂きました。今回の富士のテーマは「Plus」です。
「ECHELON Smart Plus」
まず、機器展示されていたのはITEM2019でも展示されていた1.5T装置である「ECHELON Smart Plus」です。
写真右のコイルは、閉所恐怖症患者に対してのアプローチで前回も紹介されていた16ch-OPEN Head coilです。
そこにガントリー内にプロジェクションマッピングの技術を用いて、映像を表示させることが可能になっていました。
他社では、鏡を用いて遠くのスクリーンを目の前にあるかのように表示させるものがありますが、こちらは直接目の前に表示できています。
実は当院でも他社技術は使用していますが、閉所恐怖症でつらい思いをしながら検査をされていた方が「すごく楽だった」と言ってくださることがあり、非常に有用であると感じています。
ただ、鏡を目の前に置かないといけない場合、体位の制限や近視の方にはあまり意味がなかったりして、その辺りがもしやと思わせる技術だと思います。まずは患者様への「配慮をPlus」ですね。
16ch-OPEN Head coilで実際に撮像された画像も紹介されていました。個人的に前頭葉部分のSNR不足は感じましたが、診断に問題が生じると思うほどではありませんでした。
Smart Plan
前回も紹介されていた「Autoシリーズ」ですが、新たに「膝」と「肩」に対応されたそうです。技師間の差をなくし、実際の業務に「余裕をPlus」ですね。
REALISE Plus
IP-RAPIDとは逐次近似再構成の原理を応用した高速化技術で、アンダーサンプリングと繰り返し再構成を最適化・融合することで画質を損なうことなく撮影時間を短縮することができる技術で、前回もご紹介させていただいておりますが、それに専用のノイズ低減のアプリケーションが追加されました。(REALISE Plus)
IP-RAPIDがさらに進化し、短時間を達成できるようになったそうです。これにより「余裕をPlus」できるとともに「Plus 1スキャン」が提案されていました。
気になる新技術
残念ながら画像はお見せできないのですが、
- 8 peak 6 echoによる肝臓の「Fat Fraction」
- T2*Wを応用しケミカルシフトを補正した「Bone Imaging」
- 酸素接種率(OEF)が算出可能になった「QSM」
- Multi-phaseによる補正が入り「ATT」「cCBF」が算出可能な「Multi-phase ASL」
- 様々な定量値マップ(T1map,T2*map, PD map, B1 map)と各種画像(T1W, T2W, T2*W, PDW, FLAIR)、さらにはMRA画像、Myelin Map、PH Mapも算出可能になった「QPM:Quantitative Parameter Mapping」
まだ製品化されていないものの富士独自の新技術が目白押しで、次回の発表が待ち遠しいですね。
最後に・・・
皆様もご存じの京谷さんが今年より富士に移られたそうで、お会いした時に非常に驚きました。
富士は多くの企業と統合し、技術を豊富に持つ企業となりましたが、優秀な人材もさらに確保していたのですね。
さらなる躍進が期待できそうで、今後に注目していきたいと思います。
以上、富士レポートでした。
Chief Editor’s Eye
FUJIのブースに日立のMRIが、、と思うと意外感がまだありますが、キャノンブースの東芝、には違和感を感じなくなりましたので、きっとすぐに馴染むのでしょう。
旧日立のMRIは、楕円形のボアに代表される、空間的にユニークな工夫をしてきましたが、前面が開いたデザインの頭部コイルは面白いと思います。閉所恐怖の患者さんは一定の割合いますので、とても良い工夫でもあると感じました。
FUJIはAIが得意ですから、今後の実装でどんな風になるのか、興味深いです [高原]
Deputy Editor’s Comments
特設サイトで、0.25T永久磁石MRI AIRIS Light の Image Gallary を見ましたが、昔のオープン型装置を使っていた者から見て、信じられないほど高画質化しているのにビックリしました。膝関節を3D撮影したり、RADAR(体動補正)機能が使えて、脂肪抑制は低磁場なのにとてもキレイです。なんと体幹部の非造影MRA(オプション)まで撮影可能だそうです。こちらでデモ動画を観ることができますので、ぜひぜひご覧ください。低磁場装置に対する考え方が変わりますよ [石森]
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