2018年12月16日、第26回・画論・the best image が開催されました。
前回の第25回・画論は東芝メディカルシステムズからキヤノンメディカルシステムズに変わっての第一回目ということでキヤノン本社で行われましたが、今回は例年通り東京国際フォーラムにて開催されました。
この会場は駅からも近く慣れ親しんだ懐かしさが感じられます。
ディスカッション
画論は、1.5T部門と3T部門に分かれています。今年はそこに脳神経部門が新設されました。全国から募った応募作品から18例が優秀賞として選抜され、ディスカッションを経て最優秀賞が決定します。
5分という短い時間で発表し、1分の質問の後に点数化されます。内容、新規性、有用性、プレゼン力、時間などが審査対象となるようですが詳細は不明です。
受賞作品!
1.5T部門の最優秀賞は自治医科大学付属さいたま医療センターの椎骨動脈乖離疑いでした。これは、椎骨動脈の偽腔内の血流を、mASTARを用い経時的変化を評価したということでした。実際は血流がなかったがmASTARを用いることで血管解離の診断を非造影にて行えるというものでした。
3T部門の最優秀賞も自治医科大学付属さいたま医療センターで、脾動脈瘤でした。動脈瘤の治療計画で必要な形態および血流動態評価をmASTARで短時間に行ったものでした。大動脈からでる脾動脈に垂直になるようにパルスを設定し、TIを変化させることで動脈瘤内の動態評価を行ったものでした。DRKSやDSA画像と比較しても一致した画像が得られるということでした。
新設された脳神経部門
1.5T部門は済生会熊本病院の脳動静脈奇形でした。AVMに対してmASTARを用い、連続で4時相を撮像することで流入血管,nidus,流出血管を明瞭に描出していました。CTAに近いくらいの非造影4D-MRAでした。
3T部門は等潤病院の左内頚動脈狭窄により左の脳血流速度が低下した一例です。TOF-MRAにて内頚動脈の信号に左右差があったためmUTEを用いて4D-MRAを撮像しました。
TI値を変えることによる経時的変化を画像化し、その画像に各色付けを行い合成する。これにより1枚の画像で血流速の違い、左右脳血管の到達時間をカラーで可視化できるというものです。
まとめ
今年の画論は、最優秀賞はすべてが非造影でした。それもFBIやT-SLIPではなく、mASTARでした。時代の流れでしょうか?ほかの上位入賞作品でも非造影が多かったです。キヤノンのMRIらしい結果であったと思います。
そのほかでは、Work stationであるビトリアを用いたものがありました。
AVMのフォローに対し、Follow up monoという過去と現在の頭蓋内病変の違いをカラー表示にて評価しているところは素晴らしいものでした。
また、シンセティックMRIも登場しています。頚部皮下腫瘤に対し5分の撮像で、11種類のコントラストとSagとCorもMPR処理描出できる。これは手関節の腫瘤の描出が明瞭になされていました。
あ、これはわたくしが出した演題ですので、近いうちに記事を載せますね!
今回のこの記事内では画像をお見せすることはできませんが、順次皆さんに報告できるようにしていきたいと思います。
創意工夫に富んだ画論 the best imageが終わりました。
以前は、画像を見せる画論でしたが今回はデータを見せるアカデミック色の強い画論でした。
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