GEのランチョンはなかなか見ごたえがありました。まず、Singa 35年ありがとうというスライド。
今年のISMRMでは、SIGNA 7.0T(臨床機, WIP)の発表と、同時にESP(Extreme Slew-rate Performance)というコンパクト・高性能 3.0Tの発表がなされました。
ESPについてほとんど詳細がなかったので、ブースに行って聞いてきました。
ESPはSiemensのConnectomeのような、Slew-rateがとても高い機種で、最大傾斜磁場80mT/m、Slew-rateは実に700T/m/s を実現します。ボア直径は37cmの頭部(四肢)のみが可能なもので、FOVは26cm maxとのこと。コンパクトなので2.5トンの重量(普通は5トンぐらいある)で、かつクエンチ官も要らないそうです(ヘリウム量12L)。
ESP,と聞くと、僕は七瀬(筒井康隆の小説)のようなExtra Sensory Perception(第6感の認識=超能力)を連想してしまいます〜。
そしてGEでは、このAIRテクノロジーを誇っております。大きな人も、子供にもフィットします。
ここに示す3つの項目を改善しました。
まずスキャン前には、AIRテクノロジーの毛布的なコイルを簡単に患者にかけられて(ポジショニングの必要なし)、次に指で、撮影したい部分の中心部を押して記憶させ、ガントリに入れれば自動的にそこを撮影する準備ができます。使用するコイル素子は当然自動選択されます。
UIが更に改善されていて、プロトコル群をそのままコピーできますし、撮影中にはごらんのように、時間を短くするオプションが、いくつかのメニューで表示されます。これは便利そう。
そして、AI再構成により(画質が良くなるのでその分)撮像時間が短くなります。
後処理に関しては、、
やはりAIにより、病変部の抽出(Segmenation)、異常の検出と分類が行われます。
こはMARVIC(磁化率アーチファクト抑制スキャン)の説明図。磁化率アーチファクトがあるということは、Off resonanceのところ(例:-5kHz、-3kHz)に信号を出すということなので、それらのデータも集めると、、
こんな風に磁化率アーチファクトの少ない画像が取得できます。今回は “Isotropic MAVRIC” という新しい撮影による結果が提示されていました。
Zero TEによる撮影で、以下のような追加後処理を行い、CTのような画像を作り出します。
実際のCT(左)と比較した結果。Acetabular loofに対する角度計測などにおいて、とくに遜色がないと、、
AIR coilによる画像が提示されました。
右肩を覆う「衣服」のように装用できるので、、、
このような(従来は難しかった)液化部分を通る腕神経叢がきれいに描出できます。
またDTWIを使った神経描出でもこのコイルが役立ちます。
AIによる効果
Synthetic MRIは、GEではMAGiCと呼ばれていますが、このMAGiCで撮影すると、FLAIR画像と瓜二つの画像を創り出すことができますが、しかし矢印部分などにアーチファクトを生じることが知られています。
従来のVoxel-wiseの手法では限界がありましたが、
AI(Deep CNN)によって正しい画像を予測することができるので
右端のような画像を作り出せます。Deep Learning(DL)を使うので、Deep MAGicという名前がつけられていました。催眠術にかかりそうですね笑
これはDLを使って、左のLong Readout を用いても、右で示すShort Readoutで撮影したときのようなBlurringをなくすることができます。
左から2枚めは、造影剤を10%しか使いませんが、DLによる合成(右端)をすることで、実際に100%造影剤を用いたときの画像とよく一致する。
これはPETのlow dose化にも用いることができます。
これはAyloid PET.右端がlow doseの画像
このスライドでの右端がDLリコン。
そのほか、急性期のDWIとPWIのミスマッチから、後に生じる梗塞巣の領域がもともと予測できましたから、、
そのことを使って結果を予測できます。上と下は異なるシナリオ(上は、rtPAをしたときには梗塞になる部分が小さいと予測できる(のでrtPAを投与したほうが良い)(下は、rtPAを投与しても梗塞巣の大きさが変わらないので、出血のリスクをあげないために投与しないほうが良い)を予測しています。
最後に、Stefan Skare先生(カロリンスカ大学)からの発表。
彼の地では最新型のGE装置が揃っています。
いままでは、ソフトウエアリリースバージョンが異なると、その都度インストールしなくてはなりませんでしたが、これからはそういう違いがあってもセンターでリコンして病院のPACSに戻すことができます。
そのほか、EPIMixという、1min brain examを紹介していました。これは撮影データから、DWIを含む画像を合成できる技術です(リンク)。
ということは1時間にボランティアを・・・
30人ぐらい撮影できるということですね笑 ボランティアの入れ替えごとにテーブルを拭くほうが大変だそうです。
彼は以前、日本のMR学会に来てくれたことがありますが覚えていますでしょうかかrあ。
そのときは僕の家に来てくれて夕食をともにしました。こどもに「Angry Bird」(ゲーム)をそのとき教えてくれました (^^)
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