Signa甲子園2014金賞:Signaで使える呼吸同期EOB肝細胞造影相

肝細胞造影相は息止めが常識!?

肝臓EOB-MRIにおける肝細胞造影相は息止めで撮像されます。GEのMRユーザーは腹部の息止め用に最適化された3D-FSPGRであるLAVAを使っていると思います 。高齢の方など、息止めがうまく撮像できない場合には、下図(左右とも)のようにアーチファクトがでてしまいます。使えるものなら呼吸同期を併用したいところです。

BHngLAVA

そこで、Signa甲子園2014(GE MR ユーザーズミーティングの全国大会)において提案した「SignaでEOB肝細胞造影相を呼吸同期で撮像するにはどうしたらいいか」について紹介したいと思います。これは、ベローズを用いた呼吸同期(Respiratory Triggering;RT)を併用した方法です。

不可能な「3D-SPGR+RT」の組み合わせが、vasc. TOF-FSPGRの機能で実現できることを発見!

GEのMR装置で3D FSPGRを撮像する場合、いくつかの選択肢があります 。息止め用のLAVAには装置の制約があり、RTを併用することができません。ところが、原型PSDとなるVascular FastTOF-SPGR(造影MRAやDynamic studyに使われる3D FSPGR)を眺めていたところ、RTが併用可能なことに気づいたのです! 「これは行けるかも!」と超興奮しました。試しに撮像してみるとこのような画像が得られました 。コントラストは悪くなさそうですが、本症例の場合RTの精度は不良で、まだ検討の余地がありそうです 。

スクリーンショット 2015-05-04 00.33.32

 

RTのパラメータを見直してみる

そこで動きの影響を少なくすべくRTのパラメータを見直しました 。まずはGEのRT設定パラメータを下図に示します。

image4

Trigger Point(TP)は最大吸気時(つまり呼気の始まり)からデータ収集開始までのdelay時間です。本来、「Point」は「時刻」を意味する言葉なので、実際には「Triggering Delay」のほうが分かりやすいと思いますが、このように使われています。
Trigger Window(TW)は次のTPからさかのぼってデータ収集しない時間です。
Acquisition Window(AW)はもちろん、撮影する時間帯のことですが、上記の定義から、TPにも TWにも含まれない、青のグラフの部分だということがお分かりかと思います。例えばTP20%とTW40%の組み合わせではAW60%となります 。(TP+AW+TW/2=100%です。したがってAW=100-TP-TW/2=60%です。)

そこで工夫したのですが、TWをかなり大きく設定することです。こうすると吸気時のデータはすてられ動きの影響が少なくなります。今回の検討では臨床で現実的な撮像時間を考慮し、TW60%以上を推奨値としました 。得られた画像は左図がボランティア、右図は臨床例です。撮像時間はともに2分程度です。

スクリーンショット 2015-05-04 00.34.11ご覧のとおり、呼吸同期を併用したEOB検査が可能になりました。息止めができなくても良好な画像を得ることは可能です。みなさまも是非試してみてください。

ライター紹介 新潟大学医歯学総合病院 診療支援部放射線部門 斉藤宏明
writer saito

 

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