RSNA2014 その16 TOSHIBA MR 〜 Saturn Gradient搭載のTitan 3T MRI
東芝のMRIを聞いてきました。
こないだAdvanced CT/MR研究会の発表者に抜擢されていた千葉寿恵(ひさえ)さん(那須本社)が案内してくれました。
Elanの調子がよいのでRSNAでも説明
昨年のRSNAで発表済みだそうですが、「1.5T」のElanの販売がすこぶる良いので、説明させて下さいとのこと。下のようなラインナップになっています。
70台も売れたんです! とのこと (^^)
その理由としては3つあり、ひとつめが、設置面積がとても小さい(16平米)
ふたつめは、経済的なこと。天板を下に下ろすと、G-amp(グラディエント用の電流)がほとんどゼロになるので、50%ほど電気代を節約できるとのこと。またヘリウムはゼロボイルオフ(蒸発しない)なので再充填が不要。
みっつめは簡単なことで、ここに示すように経験が豊富でなくてもFBIのdelay timeを決めやすいとか、その他頭部コイルのチルト機構、位置決めアシスト機能など優れた機能があるとのこと。
Titanに「Saturn」オプションが設定された(今年の目玉)
今年の目玉は、3TのTitanに、Saturnというgradientが設定され、最大傾斜磁場が45mT/m担ったとのこと(従来30mT/m)
そのほか、聞いてみるとかなりいろいろな点を改善したようです。画質もかなり良かったので、へぇ〜という感じでした。
パワーが上がると生じる発熱(B0のシフトを起こしてしまう)や振動(位相シフトを起こしてしまう)問題や、ボアサイズが上がると生じる振動やRF不均一(SARの上昇を来す)の問題をいろいろと対策したとのこと。
たとえば、60cmのガントリから70cmのガントリ(右)になるときは、開口部が大きくなるぶん、周囲にしわ寄せがきて、Gradientは薄く作らなくてはならない。
だけどもその薄くなったにもかからわず、冷却水層を2層→3層にして、発熱を防いだり、あるいは、High Pressure modeling(紫)とかかれているような、がっちりしたGradientの材質に変えたりしているとのこと。
RFの均一化ができたので、かなりフリップアングルを大きくとれる(従来は局所的な加熱を防ぐために小さく取らざるをえなかった)ことになった。
このため、こんなふうに、Flop角(高速SE法で最初の90度のあとに沢山180度を打ちますが、そのことを「フリップ」ではなくて「フロップ」といいます)を120度から180度に高めることができたので、SNRが良くなったそうです。これは説得力ある画像ですね。
それで、出てきている画像は確かにかなりきれいなものでした。
M-Power V2.5
ソフトウエアバージョンがV2.5になりいくつかのことが出来るようになりました。
DWIは、確かにかなりきれいになっています。V2.5になるkとにより最短TEが短くなり、SNRが上がった上に、さきほどのSaturnのハード改良によってかなりT2 blurringが減っています。
そのほか、DIXON法による3D T1WIの取得や、
cDWIのプリセット(撮影前に宣言しておける)など。
Body DWIも歪みが少ない印象で◯。(ただし体表の脂肪はMIPするときにNGなのでうまく抑制して欲しいです)
乳腺のDWIもなかなか良いと思います(同 脂肪と乳腺が同じ信号強度にならないようにもうすこし脂肪は落ちないといけないけれども=SPAIRとPASTAの併用はできているそうです)
そのほか、写真は撮れませんでしたが、WIPとして、
- FACE DWI
- UTE
- CEST
- ZAPPED
などが挙げられていました。ZAPPEDはCESTよりもだいぶ良いらしいので、皆さんまた、講演会などでチェックしてみてください。
以上東芝MRでした。