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RESOLVEの技術について(SIEMENSユーザより)
- 2015/12/31
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Readout Segmentation of Long Variable Echo-trains(RESOLVE)技術って?
DWIの敵は”歪み”です。歪み低減のために通常はecho spaceを短縮します。具体的にBWを大きくしたり周波数matrixを下げる方法があります。しかしS/Nや分解能を犠牲にしながらparameterを設定します。ところがRESOLVEは上記のparameter操作をしなくてもシステム上でecho spaceがいとも簡単に短縮化されています。
Single Shot EPIにおける「歪み」の原因は、k-space データ充填中に生じる「位相ずれ」の蓄積によるものです。「RESOLVE」はreadout方向をmultishot化することによって、この「位相ずれ」を防いでいます。(Multi Shot EPI) また、multishot化することによって生じる、shot間のズレに対して、撮影像時にimaging echo(1つ目のTE)とnavigator echo(2つ目のTE)を常に取得し、このnavigator echoを使用して各echoで位相補正をおこなっています。各セグメントでのデータと、動きの補正を行い、一定の基準値を超えて外れた画像は採用せず、再度そのechoを撮像しなおす作業をします。
歪みがなくなることで診断率UP!
拡散強調画像における最大に難敵は「歪み」です。「RESOLVE」その「歪み」低減に効果的なシーケンスであり臨床現場にて、その威力を発揮します。当院では3T MRIでの頭部における拡散強調画像は全て「RESOLVE」を使用しています。始めはSingle Shot EPIの拡散強調を用いて撮影を行っていましたが、脳幹梗塞などでは歪みによるアーチファクトや病変が小さいことから診断に迷うことがあります。また、歯の金属や副鼻腔による歪みなどにおける画像情報の不安定な部位においても、正確な情報を得ることができます。時間は若干延長しますが「RESOLVE」における画像は診断を確定のものにします。
歯の金属によるアーチファクト
SS-EPI (50sec)Echospace=0.95ms
RESOLVE(1m45sec) Echospace=0.38ms
高分解能拡散強調の有用性
Segment数を増やし、分解能を上げることができ、さらにエコースペースの短縮化することができます。エコースペースの短縮化が、ブラーリングなどのボケを抑え従来の拡散強調画像よりシャープに見えます。高分解能での撮影、ThinSliceでの撮影は小さな病変位置の特定、確定に効果的です。
●脳幹梗塞症例
1)RESOLVE:スライス厚5mm、160×160、scan time=1min45sec
2)高分解能RESOLVE:スライス厚3mm、179×256、Scan time=5min8sec
●脳梗塞症例
上段:RESOLVE
下段:高分解能RESOLVE
ライター紹介
公立学校共済組合関東中央病院の天野淳(あまの あつし)です。技師になって20年越えです。東芝の0.5TMRI装置からはじまり、現在はシーメンスの3T装置を使用しています。日々、自分のイメージした画像をだすように頑張っていまが、なかなか・・・・しかし、イメージどおりの画像が出た時の爽快感はたまりません。これからも若い人にも負けないように、日々精進していきます。
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